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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

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「天木直人メルマガ」 第0106号 沖縄密約を公表すると発言した岡田民主党副代表の衝撃度
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 天木直人のメールマガジン  ─反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説  2009年3月16日発行 第0106号  沖縄密約を公表すると発言した岡田民主党副代表の衝撃度  3月15日の各紙はいずれも一段の小さな記事でしか報道しなかったが、 沖縄密約を公表すると言った岡田民主党副代表の発言は、今後の政局を左右 する極めて衝撃的な発言である。  民主党の岡田副代表は14日、大阪で講演し、1972年の沖縄返還の 際に存在したとされる密約に関し、「政権が代わったら全部出す」と述べた という。私はそれを身震いする思いで読んだ。小沢党首の日米関係を巡る数々 の発言などとは比較にならないほどの深刻な発言である。  戦後の日米関係は密約だらけで築かれてきた。その一つである沖縄密約の 正体が明らかにされるという事は、そこを突破口として日米関係のウソが すべて明らかにされる可能性が出てくるという事である。岡田氏はその事に 気づいているのだろうか。それを自覚した上での発言なのであろうか。  沖縄密約といっても様々だ。例えば沖縄返還の際、返還の前提として米軍が 核を持ち込む事を認めていた密約は、佐藤栄作元首相の密使である若泉敬京都 産業大学教授の手によって行なわれた。その若泉敬に師事し、それを知り、 それを評価して日本外交を担ってきたのが谷内正太郎前外務次官である。  毎日新聞記者西山太吉氏が明らかにした沖縄密約は、沖縄返還時に米国が負担 すると公表した土地現状回復費400万ドルを、実際は日本が負担していたという 屈辱的な密約である。これは柏木雄介財務官(当時)が外務省の頭ごなしに 福田赳夫蔵相(当時)と図って行ったものだ。それを吉野文六元外務省北米局長 が認めた。  現在の藤崎一郎駐米大使は柏木雄介の女婿である。義理の父親が関与した密約 を背負って日米外交の先頭に立っているという訳だ。  これらの事実は、ほんの一例である。私がここで言いたい事は、この国の指導者 たちは皆、様々な日米密約に関与し、それを知っていながら否定してきた、という 現実である。それが戦後の日米関係の実態なのである。  それが、政権交代によって明らかにされるとすれば、これ以上の政権交代はない。  最近のメディアの流れを見ていると、漆間失言の影響もあって、検察官僚の 行き過ぎに対する批判が公然と語られるようになってきた。その限りでは小沢 民主党に有利なように見える。  しかし小沢氏が追い込まれている事には変わりはない。政局は、3月23日の 大久保秘書の拘留期限が切れる時に大きく動く。検察は面子に賭けて大久保秘書 を起訴するであろう。その場合小沢氏はそれでも代表にとどまれるか。たとえ しばらくは代表にとどまったとしても、総選挙までの数ヶ月もの間、民主党代表 にとどまり続けられるか。それが果たして民主党の政権交代に有利なことなのか。 途中で辞任することほど民主党にとってまずい事は言うまでもない。  もし小沢氏が来る総選挙に勝って政権交代を行なう事を最優先するのであれば、 自分の考えを忠実に実行し、なお民主党をまとめていくことのできる者に禅譲する 事が最善の道である。  果たして小沢氏は岡田氏と話が通じているのか。その上での岡田発言なのか。 それは私にはわからない。しかしこの岡田発言は、前原や仙石では決して出来ない 発言である。菅でも鳩山でも出来ない。こよなく小沢的発言だ。  岡田副代表の発言が本物であれば、岡田民主党は小沢民主党を引き継いでいく 事ができるかもしれない。岡田氏が民主党をまとめていける事ができるなら、 不利と見えた小沢秘書逮捕事件の逆風を一気に覆す事ができる。  何としても政権交代を実現する。そしてそのあかつきに日米関係の密約を 明らかにし、これからの正しい日米関係を国民の判断に委ねる。これが小沢・ 岡田の「密約」であれば、面白いと思う。小沢の意思を引き継いだ岡田民主党に よる政権交代に、この国の将来を託したい気持ちにさせられる。

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