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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

「天木直人メルマガ」 第0105号 読者との対話
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 天木直人のメールマガジン  ─反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説  2009年3月16日発行 第0105号  読者との対話  はじめに明らかにしておくが、私のメールマガジンに対する読者からの反応は 驚くほど少ない。そしてそれを私は歓迎する。私は沈黙する愛読者こそ重視したい。  私が配信したものが読者にとってどのように受けとめられるかは、もちろん気に はなる。しかし、どのように受けとめられようとも、自分の意見はこれだ!という 覚悟を自らに課して書き続けている。  そして「沈黙の読者」でも、皆、自らの思いを秘めながら、私のメルマガを真剣 に読んでいると信じている。私のメールマガジンは、目に見えない「沈黙の読者」 との真剣勝負であると思って書いている。  そうは言っても、私は意見を送ってくる読者に感謝している。わざわざ時間と 労力を払って、私の書いたものに応える。その事だけで私は敬意を表する。  3月15日に書いた「放置されている不正診療請求に思う」については二、三の 医師から貴重な意見が寄せられた。その意見を寄せていただいた医師に対しては この場を借りて謝意を表したい。  その中で、ある医師との対話を、他の読者に紹介したい。間違いなく他の読者の 参考になると思うからだ。今後も、折に触れて「読者との対話」を紹介させて いただく。人は皆、それぞれの人生を真剣に生きている、そのあかしとして。  天木さん、いつも鋭い言葉、とても刺激になっております。医療関係者なので、 返事をする責任があるかなと思い返信致します。不正請求とは何か?これを具体的 に分類する必要があると思います。そして、横行しているとは?その、ニュース ソースはどこからか。一体どれぐらいある事が想定されるか?  架空の患者名を使って医療費を不正要求している医師がいる・・・これは、 実際にあります。その結果、保険医を剥奪されている者がいて、処分されて います。(不正が見つかるのは)ほとんどは、たれ込み=つまり従業員スタッフ からの申し出により、監査されていくように聞いています。  不正が放置されるのは、1、人員がたりない。2、不正かどうかは、誰が判断 するかが曖昧になっている。3、判断するものが、権力を持つ構造になっている、 などが理由でしょう。第三者機関の必要性、医師会のありかた、医療に対する国民 の理解(患者学)と国民の要求に沿った医療機関の設置、医者に対する人間教育、 がないと思います。  不正がおきるには、不正をする原因と条件、状況があります。交通事故でも、 なぜ不正を起こしたのかの考察がなければなりません。不正が見つかっても罰する だけでは、国民のためにはならず、違う形の不正が発生します。(もちろん罰する 事は必要です)  割を食うのはこの世の中の無数の弱者たちだ・・・と言うのはその通りです。 これも、医療だけが突出している訳ではありません。また、保険を悪用している のならまだ分る可能性があります。自由診療においては、不正があっても闇の中に 消えてしまいます。  医療、介護、看護をもっと身近なものにしなければなりません。今まで弱い人 たちに、関心を持たない人が多い事が、社会の悪を生んでいるとおもいます。 知的障害者を巡る事件、オウムのサリン事件のその後、いつでも、やりっぱなしで すぎているのは、それを許している人が多数を占めるからだとおもいます。  医療の不正請求は犯罪です。それを追及する事は大切です。しかし、医療者と もっと本音で話合う機会が大事で、それも、解決法を考える枠組みが 早急に必要 と思います。(ある医師の読者より)  貴重なご意見ありがとうございました。言葉足らずであったかと思いますが 私は医者を批判しているのではありません。医療行政の不備が放置されている のではないか、という事です。その責任はもちろん官僚と政治家です。  利害関係者の利害の調整は難しい仕事です。しかし政治家や官僚がどこまで 必死になってその困難な仕事を成し遂げる努力をしているか、ということです。 私は周りの官僚を見てきて、問題を解決するという仕事への熱意が彼らには 決定的に欠けていると感じてきました。  弱い人たちに関心がない事が社会の悪を産んでいるという事は、そのとおり だと思います。しかし、現実には弱い人はなす術を知りません。それゆえに弱い人 にとどまっているのでしょうが、私は強い人が弱い人に為に立ち上がる事なくして、 世の中の不正は正される事はないと思っています。強者の責任です。強者が 自己保身のために行動を起さないところに物事が解決しない根本原因があると 思っています(天木)。  天木さん、返信とても嬉しく思います。医者にも問題はあります。医者が儲かる 仕組みは何故か?本来国がサービスとして医療を行う事を開業医に委ねた(今で 言う民営化ですね。)そして、その見返りとして、診療報酬を与えたという事です。 間接サービスですね。それも介護保険では人を介するサービスから、金を与える だけになりました。これでは、担当者は責任を負う事はなくなってきます、また、 責任を逃れる事も簡単になりました。  うちの母も歯科医でしたが、それは、大変な仕事で、後を継ぐ事は考えていない。 いや、絶対ならないと抵抗しておりました。1日100人以上のヒトを診るだけ でも大変なことです。その、かわり、たくさんのお礼と尊敬と野菜や果物やお土産 をもらっていました。今振り返れば、とても素敵な関係が築かれていました。 いまでも、母の事を思い出し私に語ってくれる患者さんがいます。有り難いなと 思います。そのかわり、少年期は私の家には家があっても家庭がない状態でした。  健康保険制度が確立する事で、共産主義の台頭に対して、また労働者に対する 保障として労働者に権利を与えました。それが厚生労働省という名称に引き継がれ ているように思います。生活保障省ではなく、国民生活安全省でもない労働のため の厚生ですよね。  基本的に医者は患者のためにあり、患者がなければ医者は必要ないと考えます。 しかし、いのちはいつ何時何があるか分らない訳ですから、それに対する救急的 な医療が必要で、それは、コストの問題よりも短時間で解決するかが優先されます。 また、健康を維持するためには、社会教育が大切で、それは収入には結びつき ません。慢性疾患でいつまでもつなぎ止めていく医療、死に直面した尊厳死の 問題。臓器移植。不妊治療等、専門家だけが考える医療ではもはや成り立ち ません。  医療は与えられる者ではなく、培っていくものだと考えます。いい医療者 とは・・・ここを国民が(患者の可能性のある人たちが)声を大にして、伝える べきだと思います。  そう言う意味で”患者学””医療経済学”はとても重要です。(医科系大学 で医療倫理を教えているのは半分以下というアンケート結果もあります。それは 太平洋戦争などの医療犯罪を総括していない、そしてそれを伝えていない、 石井部隊の生き残りが官僚となって残った事実もあります)  厚生労働省では、医療と経済学の両方の博士を持った人がいません。丸投げ です。医療経済学を学ぶと出世に乗り遅れるからです。また、日本の統計は 十分ではなく(いい加減なので)医療経済学を学ぶ人は欧米のデータを使わざる を得ません。日本では最近はデータも隠すようになっていて、根拠のない、都合 の良いところだけを利用して政策を作っています。 天木さんの言うようにその責任は官僚と政治家です。それに、メディアが大きな 役目をしています。強者が弱者の為に行動を起さなければならないという指摘は そう思います。いまの自分があるのも、この社会における役割を担っているから だと感じます。弱者は弱者だと気がつかせないようにし、強者は隠れています。 私の息子は「難病」でした。おかげでいろいろな弱い人々をみさせていただき ました。その事が今に繋がっています。そして、その入院時に小泉氏が厚生大臣 であり、難病者への一部負担金拡大を実行しました。そのときから、世の中が おかしい方向に向かっていると感じました。人の痛みが分らない世の中に絶対 してはいけません、天木さん、がんばって下さい、いや、わたしも、力になる よう、学び行動していきたいと思います。(ある医師の読者より)      

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