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振り返れば、8月25日のCIAのジョン・ラトクリフ長官の突然のモスクワ訪問は、ここしばらく静止状態にあった米露主導によるウクライナ和平交渉再開のシグナルだったと感じています。トランプ大統領は昨年8月のアラスカのアンカレッジでの米露首脳会談で、ロシアに対し「ゼレンスキーの事は任せてくれ」と伝えたとの報道がありました。
確かにこの会談以降、ロシア側はロシア国境に接するウクライナ領での緩衝地帯の創設を封印。東部前線でのロシア軍の攻勢は鈍化し、また経済面では、戦時経済による製造業の過熱から派生したインフレの抑制政策を最優先課題とし、明らかに通常の経済へとソフトランディングする方向へとプーチン大統領が舵を切ったことは明らかでした。
しかしその後、今年の2月末の米国とイスラエル連合軍によるイラン攻撃で始まったイラン戦争でトランプ政権は身動きが取れなくなり、ウクライナ和平交渉は沈黙が続いていました。イラン戦争の終焉はまだ見えそうにありませんが、2か月後の米国中間選挙を控え、トランプ政権はウクライナ戦争での和平交渉の成立にターゲットを切り替えたかの如く、8月末から動き出した感があります。
もちろん、英国が今年の4月末からロシアに対しけし掛けている今月中旬のロシア下院議員選挙に絡めたロシア国内の政情不安定化作戦により、ロシアの態度は硬化。その結果、ロシアがNATO欧州軍と直接対決する緊張感が高まる状況が生じていることも、トランプ政権の動機の一つとなった可能性も否定は出来ません。
そして5日(土)、スティーヴ・ウィトコフ特使とトランプ大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー氏がモスクワを訪問し、プーチン大統領と会談しました。そしてその後の6日(日)、ウィトコフ特使らはウクライナへと向かい、ゼレンスキー氏と会談しました。
この原稿を書いている6日(日)の夕刻時点で報じられているロシアやウクライナのメディア情報を基に、この両会談の結果を考察していきたく思います。
米露会談~9月5日(土)
まず重要な事実として挙げられるのが、ウィトコフ特使とクシュナー氏は、まず最初にロシアを訪問したということです。この事実だけとっても、2つの会談の結果が容易に推察できると言っても過言ではありません。というのも、今年の7月28日、ゼレンスキー氏がリンゼー・グラハム氏の葬儀に参加するという名目で訪米した際、トランプ大統領と会談しました。ゼレンスキー氏はパトリオット防空ミサイルを求めるも、トランプ大統領は体よく断わるなど、何ら成果のない会談に終わりました。




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