… … …(記事全文3,083文字)【トランプが開いた“米”のゲート──その先にある静かな飢餓】
米国のトランプ大統領は2025年7月22日、日本との貿易交渉において、自動車や農産品に関する「史上最大の取引」が成立したと発表した。これを受け、日本政府は米国との間で、相互関税率を15%に調整することで合意。石破首相は記者会見で「農産品を含め、日本側の関税を引き下げることはない」と強調しつつ、コメについては現行のミニマムアクセス(最低輸入量)枠内で輸入を拡大すると述べた。
この「関税は維持、輸入は拡大」というロジックには、重大な構造的リスクが潜んでいる。ミニマムアクセスとは、1993年のウルグアイ・ラウンドで導入された制度であり、もともと日本が米の自給率100%を維持していた時代に、例外的に導入された「最低限の譲歩」にすぎなかった。だが現在の日本のカロリーベース食料自給率は約37%。その状況下で、輸入米の枠だけを拡大するというのは、「守ったふりをして実は明け渡す」政策にほかならない。
