Foomii(フーミー)

政治・歴史・文化・経済!高安カミユメールマガジン

高安カミユ(保守系コラムニスト)

高安カミユ

クルーグマンとバーナンキの変貌~円安上等論はもうダメだわ・利上げしないとダメだわ~ハシコを外されていた哀れな円安上等論者たち

1990年代末、ポール・クルーグマンはデフレに喘ぐ日本に対し、中央銀行がインフレ目標を掲げて大規模な金融緩和を行えば、期待インフレ率が上がって実質金利が低下し、通貨安を通じて経済が復活するという処方箋を提示した。

この理論は後に第二次安倍政権が掲げたアベノミクスの理論的支柱となり、発足当初のクルーグマン自身もデフレ脱却に向けた英断としてこれを絶賛していた。当時のクルーグマンにとって、金融緩和に伴う円安は自国経済を破綻から救うための正当かつ不可欠な政策伝達経路に他ならなかった。

しかし、2010年代半ばを過ぎるにつれ、クルーグマンの主張からはかつての単純な円安肯定論が影を潜めるようになっていったのだ。

彼自身が分析枠組みをアップデートせざるを得なくなった背景には、日本経済が直面した構造変化が存在した。

かつてクルーグマン自身がヒステリシス(履歴効果)理論で指摘した通り、超円高期などを経て一度海外へと生産拠点や現地販売網を移転させた企業は、その後にいくら円安が進もうとも易々と国内へ生産を戻さなかった。

結果として、アベノミクス下で記録的な円安が進行したにもかかわらず、日本の物理的な輸出数量は期待されたようには伸びなかったのだ。
岸田政権以降も同じだ。
輸出数量が増えない一方で、通貨安は原油や食料をはじめとする輸入コストをダイレクトに押し上げ、交易条件の悪化を通じて家計の実質購買力や企業の利益を圧迫する副作用ばかりが目立つようになった。

こうした現実を前に、クルーグマンは円安による外需拡大の限界を認め、金融緩和や為替頼みではなく、積極的な財政出動による内需創出と実質賃金の引き上げへと自らの論旨の軸足を明確に移していったのだ。

同じくリフレ派の重鎮であるベン・バーナンキもまた、FRB議長としての実務とリーマン・ショック後の経験を経て、金利がゼロ付近に張り付く非常時を脱した後は、将来の不況に備えた政策余地(利下げ余地)の確保と、インフレ目標達成後の段階的な金利正常化こそが重要であるという立場へと移行していた。

バーナンキが「ゼロ金利という非常時からの脱却」や「金利正常化による政策余地の確保」を重要視する立場を明確に示したのは、FRB議長退任後の2015年から2017年頃にかけてのことだ。

以下、バーナンキやクルーグマンは、円安上等論や利上げ否定論を、とっくに訂正していたことを公式なソースのURLと共に紹介する。



ここより先は会員登録が必要です。月・水・金に配信中です。(現在、平日毎日更新中)
そのため、1記事20円程度になります。
なお、今後、値上げの可能性がありますが、値上げした場合も、ご登録者は、登録時の価格が維持されますのでご安心ください。
ご購読を、心よりお待ちしております。よろしくお願いいたします。m(__)m

… … …(記事全文8,613文字)
  • この記事には続きがあります。全てをお読みになるには、購読が必要です。

    購読中の読者はこちらからログインすると全文表示されます。

    ログインする
  • 価格:380円(税込)

    今月配信済みの記事をお読みになりたい方は定期購読を開始ください。
    お手続き完了と同時に配信済み記事をお届けします。

    定期購読する

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2026年のバックナンバー

2025年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

2023年のバックナンバー

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2026年9月19日に利用を開始した場合、2026年9月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2026年10月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、d払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払いをご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

キャリア決済での購読の場合、次のサービスが利用できます。

docomo au softbank

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する