… … …(記事全文3,059文字)アメリカは、これほどの円安にもかかわらず、長年にわたり米通貨当局(FRBおよび米財務省)が表立った懸念を示さず、黙認を続けてきた。
トランプが、一度、「円安は不当だ!」と発言したことはあったが、その後は、何も言わなくなった。
恐らく、米国財務省などから、トランプに説明が入ったのだろう。
アメリカが円安を黙認し続けた最大の理由は、米国内のインフレ退治という最優先課題にあったはずだ。
過度な物価上昇を抑え込むため、FRBは急速な利上げを断行し、これに伴う「強いドル」の維持は、米国全体の輸入コストを抑え、物価抑制に多大な効果をもたらしたはずだからだ。
また、これまでは「円」に限らず、ユーロに対してもドル高だった。
だから、このドル高政策は、主要通貨(ユーロ、ポンド、円など)全体に対してドル高となったことで、米国が世界から調達する原材料・製品の買付コストが広範囲にに低減できるというメリットがあった。
一方、ドル高が進むと、米国以外の世界は、自国通貨安(日本なら円安)になるので輸入品が高くなり、国際商品市場で需要にブレーキがかかり、物価が下がる。
そしてこれも、アメリカの物価高騰を抑える働きがあった。
また、日本の超低金利に起因する円売り・ドル買い資本が米国の債券市場へ流入し、金融引き締め下での流動性を支えたというプラス面もあった。
つまり、日本の低金利と円安が後押しした世界的なドル高構造そのものが米国のインフレ退治に寄与していたのだ。
米国はなぜ急旋回したのか?
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