… … …(記事全文3,827文字)イラン戦争が、いよいよ終結にむかいつつある。
まだ、どうなるかは分からない面もあるが、終戦に向かっている事は確かだろう。
イランには対抗する手段がないからだ。
今回のイランを巡る激変において、当事国であるイラン自身を除外した場合、地政学的・エネルギー戦略的な観点から「失ったものが最も大きい国」の筆頭に挙げられるのは中国と英国だった。
この両国は、それぞれ全く異なる文脈から、今回の出来事で極めて甚大な戦略的・経済的損失を被ることになった。1. 中国:戦略的拠点の崩壊と格安エネルギーの喪失
中国は、今回の出来事で最も中長期的な痛手を負った国だ。中国にとってイランは、中東における米国の影響力に対抗するための最大のパートナーであり、また、「一帯一路」構想の重要なパートナーでもあった。しかし、中国はイランを助けることもしなかったし、中国から買った防衛設備は役に立たないことも証明された。
なぜなら、イランが中東防衛の要として配備していた中国製の低高度防空レーダーやミサイル技術、中国技術をベースにしたイラン製防空システム「バヴァル373」などは、近代的な米軍の電磁波妨害や精密誘導兵器の猛攻を前に機能不全に陥ったからだ。これにより、これまで中国製兵器を安価な代替品として買っていた中東やアフリカの国々に対し、「有事には全く役に立たない」という最悪の宣伝効果を与えてしまった。
また、中国は「中東の新しい大国」としてサウジとイランの国交正常化(北京合意)を仲介し、自国の外交的勝利をアピールしていた。しかし、いざイランが危機に陥った際、中国は口頭での懸念表明や国連での演説に終始し、実効性のある軍事・外交的救済を何一つ行わなかった。この「口先だけで後ろ盾にはならない」という現実が、中東諸国に「やはり安全保障で中国は頼れない」という教訓を残した。中東における中国の威光は地に落ちた。もう中東は誰も中国の事を信用しないだろう。また、中国はこれまで、制裁下にあるイランから国際価格よりも大幅に安くされた格安の原油を大量に密輸入し、自国の経済を支えてきた。この「イラン産密輸ルート」が崩壊したことで、中国のエネルギー安全保障を直撃する深刻な痛手となった。
そして、もう1つ大きな痛手を負った国というのが英国だった。
以降、イギリス、ロシア、北朝鮮と続く。ここより先は会員登録が必要です。月・水・金に配信中です。(現在、平日毎日更新中)
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