… … …(記事全文5,665文字)おわりに─死に向かって生きるからこそ命は輝く
叔母の死と向き合うことは、医療ジャーナリストである私にとって、30年近い取材活動を通して培った「思想」の「実践」だった。そしてそれは、コロナ騒ぎとワクチン強要を批判してきた私の言論活動とも、深いところでつながっている。
叔母の死とコロナ騒ぎとは、一見、無関係に思えるかもしれない。だが、私の中では一貫して同じ死生観の中にある。
「コロナやワクチンの批判に共鳴してウェブマガジンの定期購読を始めたのに、なぜ身内の話を延々と読まされるのか」と呆れた人がいたかもしれない。しかし、私の書いてきたことに多少なりとも共感してきた人は、叔母のストーリーの中に一貫したものを感じ取ってくれたはずだ。そう信じている。
人は誰しも必ず死ぬ運命にある。その自己の死と、いつ、どのようにして直面するか、神的な予言者でもない限り、誰にも分からない。
大した病気をすることなく平均寿命を超え、もしかすると100歳まで生きるかもしれない。反対にクモ膜下出血や致死性不整脈、あるいは交通事故や殺人事件で、明日、あっけなく死んでしまうかもしれない。死に至る病を患って、はじめて自己の死が見えてくる。しかし、それまでは明日が来ることを、ほとんど疑うことなく漫然と生きている。
私自身は、ここまで大きな病気やケガをすることなく、たまたま還暦まで生き延びた。けれども悔しいことに、世の中には先天性疾患で乳幼児のうちに死んでしまう子や、悪性腫瘍や神経難病で命を奪われる若者がいる。中には、まだ生きることができたはずなのに、自ら命を閉じてしまう人もいる。
善人だからといって長生きするわけでなく、悪人だからといって早死にするわけでもない。個々人に与えられた寿命は不平等であり、極めて理不尽なものだ。そのやるせなさを抱えながら、私たちは生きていかざるを得ない。それが人間の本質の一つと言えるだろう。
もう一つ、人間が生物である限り抗えないのが老化だ。年を取るほど体の機能が衰えていき、生存確率が落ちていく。
日本人の平均寿命は、男性がおよそ81歳、女性がおよそ87歳だ。しかし、全員がそこまで生きられるわけではない。平均寿命まで生きられる人は約6割強に過ぎない(https://www.fps-net.com/topics/4762.php)。
逆に言うと、約4割の人は、平均寿命まで到達せずに、亡くなってしまう。男性は70代、女性は80代前半で亡くなる人も珍しくない。それを考えると、86歳まで生きた叔母が、短命だったとは決して言えない。
日本人がどんどん長寿になり、驚くべきことに女性の半数近くが90歳まで生きるようになった。とはいえ、100歳まで生きられる人は女性でも約10%に過ぎない。男性に至っては90歳まで生きられるのは4人に1人、100歳は50人に1人以下だ。つまり、70代、80代、90代で命が尽きるのは、普通のことなのだ。平均寿命まで生きれば、御の字だとすら言えるだろう。

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