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ジャニーズ問題が大荒れの様相で2ヶ月ほどが経った。三船敏郎や長嶋茂雄に代表される戦後日本の男性性が大きく崩れたあとに、中性的な男の子たちをスターにするシステムが誕生した、そんなものに私が共感するわけがないのだから、特段の感想があるわけではない。
ただ、創業者の少年愛の性癖が没後暴かれ、国際社会にまで持ち込まれる光景には、その人自身の少年愛以上の荒廃と無惨を感じる。人間という生き物そのものに吐き気を覚える、そうしたことがリベラルファシズムの情報支配と共に、あまりに頻繁に起きている。力ない溜息しか出ないが、少しだけ言っておきたいことはある。
YouTubeでこの話題を取り上げると広告収入枠から外されるそうで、私もスタッフの勧めで番組では取上げていないから、ここで一言しておこう。
まず第一に、ジャニー喜多川氏の少年愛の性癖は広く知られていた。週刊文春が何度か告発し、裁判も起きていた。私のように芸能界に関心の低い人間でさえ全面的な公認の事実として知っていたのである。日本中の藝能好きの中高年女性を中心とする人達、まして業界関係者が知らなかったはずはない。
小川榮太郎「批評家の手帖から」
小川榮太郎(文藝評論家)