… … …(記事全文6,956文字)
※当メールマガジンは画像が掲載されておりますのでウェブで読んでいただくよう、お願いします。過去記事も同様です(閲覧に際しては〔ウェブで読む〕ボタンをクリックしてください)
Introduction:「ハイブリッド戦争」とは、従来の軍事作戦や軍事行動に加え、サイバー攻撃、情報操作、プロパガンダ、経済戦、さらにはテロといった「軍事」以外の多種多様な手段を組み合わせた現代の戦争形態である。
その源流は1999年、中国の軍人である喬良(きょう・りょう)と王湘穂(おう・しょうすい)が提唱した「超限戦」に見出すことができる。
この「超限戦」は、「社会を構成するすべての要素を兵器化する」という考え方を基礎としており、軍事領域の境界や限度を超えた戦争を指している。
ハイブリッド戦争が具体的に行使された例として挙げられるのは、2014年にロシアがウクライナのクリミアを併合した際の出来事である。
この時、ロシアはメディアを統制下に置いた情報操作(情報戦)、ドローンによる攻撃、電磁波スペクトラムを活用した電磁波作戦を展開した。
これらの手段により、大規模な戦闘が発生することなく、多数の死者が出るわけでもない状況で、どうしたわけか行政機関やインフラが占拠され、法的正当性が曖昧な住民投票も実施された。
そして、その結果としてクリミア半島はロシアに併合されてしまったのである。
従来の戦争概念からすれば、このような事態を「戦争」と呼ぶべきかどうかは極めて疑問の余地がある。
しかし、ハイブリッド戦争は人々の「認識」を変え、さらに戦争という概念そのものをも変えてしまった。
この戦争形態はその後さらに先鋭化し、ウクライナ戦争では従来型の戦闘に取って代わる形となっている感は否めない。
そして、ロシアが周辺諸国に対してもハイブリッド戦争を仕掛けていることが判明しており、無論、日本も例外ではない。
日本に対するハイブリッド戦争は、目下のところ「認知戦」という形態を取っているようだ。
この戦術に知らないうちに利用されている「役に立つ馬鹿(Useful idiot)」も確かに存在し、その可能性が極めて高いのが「参政党」なのである。