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Introduction:2024年2月20日──この日は日本の映画界にとって大きな分岐点になる可能性を秘めていた。
しかし、午後に予定された伊藤詩織氏の記者会見が当日ドタキャンされたことにより、状況が一旦留保された格好になった。
──事の発端は "BLACK BOX DIARIES" である。
これは、伊藤氏が元TBSワシントン支局長・山口敬之氏から受けた性被害を元に、自ら監督したドキュメンタリー映画である。
この作品は世界30ヵ国以上、50もの映画祭で上映され、18の賞を受賞した。
イギリス・アカデミー賞のドキュメンタリー賞にもノミネートされたが(※受賞はしなかった)、何といってもアメリカ・アカデミー賞のドキュメンタリー部門にノミネートされた事実は大きな衝撃となっている──これは日本人として初めてのことだ。
ちなみに、米アカデミー賞の発表は現地時間の3月2日。
本来であれば日本国内でセンセーショナルな話題と共に公開されているはずが、目下のところ国内での公開に際しては全く目途が立っていない。
──なぜ "BLACK BOX DIARIES" は日本で公開されないのか?
問題提起する人々の動向と共に、この作品の問題点を解説する。