… … …(記事全文4,250文字)◆スポーツ賭博に溺れた水原容疑者
4月12日、大谷翔平選手の元通訳、水原一平氏が米連邦検察に出頭しました。彼は違法なブックメーカー(賭博業者)への借金返済のために大谷選手の口座から24億5000万円を不正送金したとして、銀行詐欺の容疑で訴追されました。それにしてもこの事件にはいろいろ不思議なことがあります。水原容疑者は仕事をしながら一日になんと25回も! 賭けていたそうです。大谷選手はなぜ水原の素行のおかしさに気づかなかったのでしょうか。自分の口座から大金が送金されていることになぜ気づかなかったのか。水原はなぜ仲の良かった大谷選手に長期にわたって嘘をついていたのか。背景にはアメリカで今、急成長中のスポーツ賭博の闇があります。
2018年、連邦最高裁で「スポーツ賭博禁止法」が違憲だという判決が出ました。現在、アメリカ50州のうち38州でスポーツ賭博は合法の娯楽です。水原氏がいたカリフォルニア州では違法だそうですが。スポーツに熱狂する気質のアメリカ人は観戦しながらスマホのアプリを使い、その場ですぐに取引できるスポーツ賭博に今、夢中だそうです。2023年の市場規模は18兆円に上るとか(『週刊文春』4月4日号)。野球、アメフト、バスケット、アイスホッケーなど何でも賭けられます。試合の勝敗だけでなく個々の選手の成績に賭けることもできます。決済はクレジットカードで。このお手軽さに水原はついハマってしまったのではないでしょうか。日本では今のところスポーツ賭博は禁止ですが、もし大阪万博が終わった後、夢洲(ゆめしま)にIR(カジノを含む統合型リゾート)ができたら、あっという間に合法化されそうで怖いです。