… … …(記事全文9,310文字)果たして"高市旋風"が功を奏したのか、それとも野党が弱すぎたのか。8日に投開票が行われた第51回衆議院選挙は与党・自民党の圧勝で幕を閉じた。
選挙では自民党が解散前の196議席から、単体の政党としては過去最多となる316議席(小選挙区+比例)を獲得し、国会での勢力を大きく伸ばした。衆院の定数は465であることから、自民党は過半数ラインである233議席をはるかに超え、単独で過半数を得たことになる。しかも、委員会での採決も含め、ほぼすべての法案処理が可能な絶対安定多数の261議席も超えたことから、高市早苗政権と同党は今後、衆院でやりたい放題の運営ができる。国会の17の常任委員会で委員長を押さえて委員数も過半数を取り、国会運営で主導権を握れるわけである。
自民党の316議席という規模は、過去の衆院選に比べ突出した数字である。この背景にあるのは、「政権の安定」と「強い国家」を有権者が求めたことだろう。国民は裏金問題や旧統一教会との根深い関わりに目をつむり、高市政権と自民党に「白紙委任」に近い権限を与えたわけである。米国をはじめとして世界が右旋回の様相を見せる中、日本も国民が率先して舵を右に切ったことになる。
野党側の対抗軸が十分に形成されず、小選挙区での競合が分散し自民党が漁夫の利を得たことも大きい。このような構造的な要因が重なり、自民党の圧勝となった。とくに小選挙区制度では、野党が分裂すると自民党が大きく議席を積み上げやすい。今回の結果は、現行の選挙制度が持つ特性が、自民党にとって最大かつ効果的に有利な状況へ働いたケースだと言える。
一方、閣外協力として連立政権に加わっている日本維新の会も、自民党ほど著しい伸びではないが、解散前の34議席から小選挙区と比例を合わせて36議席へとアップした。当初、維新議員による「国保逃れ」の問題がボディーブローのように効き、そこに高市人気が加わったことで苦戦するかと思われたが、蓋を開けてみれば意外と健闘した。とくに関西圏での強さは健在だった。
ただし、維新の強さの源泉であった大阪の19小選挙区で全勝は叶わず、大阪19区を自民党の谷川とむ候補に譲った。これが維新の衰退を示すものかどうかは現時点ではわからないが、同党にすれば手痛い出来事であったのは間違いない。

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