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やっぱり地理が好き ~現代世界を地理学的視点で探求するメルマガ~

宮路秀作(地理講師&コラムニスト)

宮路秀作

やっぱり地理が好き #190:そういえばあの話ってどうなった?②

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やっぱり地理が好き 

~現代世界を地理学的視点で探求するメルマガ~

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第190号(2024年1月12日発行)、今回のラインアップです。

①世界各国の地理情報

 ~そういえばあの話ってどうなった?②~

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こんにちは。

地理講師&コラムニストの宮路秀作です。

日頃、周りの人たちからは「みやじまん」と呼ばれています。

今回で190回目のメルマガ配信となります。


同じ場所や事象であっても、時代とともにその価値が変わることがあります。これは、社会のニーズや価値観が変化する中で、特定の場所や人物、出来事の意味が再解釈されるためです。この現象は地理的な意味でも、歴史的な視点でも見られます。


例えば、エジプトのギザのピラミッドは、建設当時はファラオの権威を示す象徴としての役割を担っていました。しかし、現代ではその価値は「古代エジプト文明の謎と偉大さを伝える文化遺産」として評価され、多くの観光客を魅了しています。歴史の中でその価値の軸が「権威」から「文化」に移行した代表的な例といえるでしょう。


また、歴史的偉人の評価も時代の変化により大きく変わることがあります。たとえば、ガリレオ・ガリレイ(1564~1642年)は、地動説を提唱した科学者として知られていますが、彼の生きた時代には宗教的な権威に挑戦したとして弾圧されました。当時の価値観では、彼の思想は「異端」とされましたが、現在では科学の発展に大きく寄与した先駆者として称えられています。このように、彼の功績は時代とともに再評価され、現代の科学教育にも大きな影響を与えています。


もう一つの例として、アンネ・フランク(1929~1945年)の日記があります。第二次世界大戦中にユダヤ人として迫害された彼女の記録は、当時の彼女自身や周囲の人々にとっては「日々の生存を記したもの」に過ぎなかったかもしれません。しかし、戦後に出版された彼女の日記は、現在では「戦争の悲惨さを後世に伝える平和の象徴」として世界的に広く読まれています。同じ記録であっても、時代や受け取る人々の立場によって、その意義が大きく変化していきます。


さらにフィンセント・ファン・ゴッホ(1853~1890年)は、生前にはほとんど評価されず、彼が描いた絵画の多くは売れ残ったままでした。彼が亡くなった当時の価値観では、彼の絵は「未完成で奇妙なもの」と見なされていました。しかし、20世紀に入り、印象派やポスト印象派の画家たちの影響力が高まる中で、ゴッホの作品は「感情や魂の深みを表現した芸術」として評価されるようになりました。現在では、「ひまわり」や「星月夜」などの作品が世界的な名画として認知され、美術館には彼の絵を一目見ようとする多くの人々が訪れます。


「ようやく時代が追いついた」といえば良いのかもしれませんね。そういう意味では、一日も早く、一人でも多くの国民が「地理教育の重要性」「地理学の面白さ」に気づいてくれる日が来ることを期待したいところです。日本は未だ、「地歴教育の歴史偏重」から脱していません。


こうした評価の変遷は、私たちに過去を多面的に捉える必要性を教えてくれているように思います。過去の事象や人物の評価は、時代ごとの価値観に大きく左右されるため、現在の視点だけで一面的に判断することは避けるべきでしょう。むしろ、時代背景やその後の影響を考慮し、多様な視点からその価値を検討することが重要ではないでしょうか。このように、時代とともに変わる価値は、単なる評価の移り変わりではなく、私たちが過去と現在をどのように結びつけ、未来に生かすかを考えるヒントを提供しています。どのような時代であっても、「変わる」という現象の中に不変の教訓が隠されているのではないでしょうか。


それでは、今週も知識をアップデートして参りましょう。

よろしくお願いします!


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①世界各国の地理情報

 ~そういえばあの話ってどうなった?②~


2024年といえば、やはり世界中で話題になった出来事がいくつもあります。


中でも「パンデミック後の経済回復と混乱」が、どの地域でも日常の話題に上ったわけです。このパンデミックとは、当然ですが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行を指します。感染拡大による経済停滞からの回復が見られる一方、各地で新たな課題が浮き彫りとなりました。


■時代とともに変化する「場所の価値」

ヨーロッパではエネルギー問題が再びクローズアップされました。ロシアによるウクライナ侵略以降、「ノルドストリーム、謎の爆破」によってロシアの対独天然ガス輸出がストップしたことで、ドイツは右往左往。天然ガスの輸入先を急遽切り替える必要に迫られました。「『どっかのアジアの島国』で原発事故が起きてさ、原発ってマジ危ねぇから廃止しようぜ!」と国内の原発を閉鎖して、代替として天然ガスに舵を切ったわけですが、相手はロシア。やはり信用してはいけなかったようです。ドイツってこういうところがポンコツです。自ら作ったルールに厳格な態度を取り過ぎていて、時代の流れに対応できないで自滅する。それは「どっかのアジアの島国」も同様なんですけどね。


ドイツは、まずノルウェーから天然ガスを輸入しました。現在ではノルウェーがドイツの最大の天然ガス供給国となっています。さらに、

… … …(記事全文10,270文字)
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