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やっぱり地理が好き ~現代世界を地理学的視点で探求するメルマガ~

宮路秀作(地理講師&コラムニスト)

宮路秀作

やっぱり地理が好き #181:インド頭脳環流と中国の頭脳流出、愛は強制をともなうので厄介だ

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やっぱり地理が好き 

~現代世界を地理学的視点で探求するメルマガ~

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第181号(2024年11月4日発行)、今回のラインアップです。

①世界各国の地理情報

 ~インド頭脳環流と中国の頭脳流出~

②コラム

 ~愛は強制をともなうので厄介だ~

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こんにちは。

地理講師&コラムニストの宮路秀作です。

日頃、周りの人たちからは「みやじまん」と呼ばれています。

今回で181回目のメルマガ配信となります。


11月となりました。

本メルマガのご購読を継続していただいたみなさま、大変感謝いたします。

ありがとうございます。


選挙や社会運動、さらには日常生活の様々な場面において、「応援する人間の価値は応援している人たちの振る舞いで決まる」と感じることが増えてきました。支持される側がどれほど魅力的であっても、その価値は応援する側の行動によって印象づけられるように思います。


応援者とは、ある意味で支持される側の「顔」の一部を形成する存在といえます。リーダーや政治家、芸術家、インフルエンサーなどが多くの支持を集めている場合、彼らの評価は、必ずしも本人の言動や行動だけでなく、応援する人々の振る舞いによっても形づくられます。たとえば、熱心なファンが過激な行動をとったり、不適切な言動で他者に攻撃的な姿勢を見せたりすると、応援されている人物が意図しない印象を周囲に与えてしまうことがあります。


所構わず大声で「六甲おろし」を歌い出し、チームが負けるとする「○○監督、辞めろ!」と言い出すような人たちが好例です。ちなみにわたくしは生まれる前から阪神タイガースを応援していますが、あの手の阪神ファンとは一緒にしないでくれと思っています。


特に選挙などの場面では、応援者の存在がその候補者の政策や人格と直結しているかのように受け取られます。候補者自身は品格を持って行動していたとしても、支持者の口が悪かったり、周囲に無礼な態度をとっていたりすれば、その行動が候補者の価値をも傷つけてしまいます。このことについては、常に自民党の高市早苗議員が支持者に自制を求めていることからも分かります。


このように、応援者は単なる観客や支持者ではなく、ある種の「共同作成者」として、その人物の社会的な「顔」を形成する力を持っていると考えるべきでしょう。応援する側が品位を持ち、他者への敬意を示しているならば、応援される側も同様の価値観を持っていると認識されやすくなります。


応援者がどのように振る舞うかは、そのまま応援される側の「価値」や「イメージ」として世間に受け取られるのです。賢い人の下に賢い人が集まることもあるでしょうが、賢い人が集まるからこそ、旗を立てて歩いている人が賢い人に見えるということはあるでしょうね。


このように考えると、応援される側にも応援者の振る舞いに責任を持つ役割が求められていることが分かります。応援する人々の行動を直接的にコントロールすることはできないものの、自らの理念や価値観を示し、応援者がそれに共鳴するような土壌を作ることは可能です。だからこそ、応援される側が自分の価値観や目指す社会を明確にし、支持者にその意識を共有してもらう必要があります。


また、応援者との関係性を丁寧に築き、自分自身の価値観がどのようなものであるかを繰り返し発信する必要があります。応援者がどれだけ熱心でも、その行動が応援される側の信念や理念からかけ離れていれば、支持は一時的なものに過ぎません。浮動票です。


しかし長期的に応援されるためには、単なる人気取りではなく、応援する側と共通の価値観を共有し、それを実現するための努力を惜しまない姿勢が求められます。こうして厚い基礎票が作られていきます。


応援者の存在は、応援される側にとっての大きな「鏡」であり、彼らの行動はそのまま応援される側の価値を映し出します。応援者の振る舞いによって、本人の意図とは異なる評価が下されることもあり、逆に誠実な支持者によってその価値が高まることもあります。応援される側は、旗を立てて歩いているときに集った仲間こそが、本物の仲間といえるのではないでしょうか。そして、応援者とともに歩む覚悟と責任が生まれていきます。


それでは、今週も知識をアップデートして参りましょう。

よろしくお願いします!


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①世界各国の地理情報

~インド頭脳環流と中国の頭脳流出~


インドの「頭脳環流」(Brain Circulation)とは、かつて「頭脳流出」(Brain Drain)と呼ばれていた現象に対する新しい見方です。


かつては、海外に移住したインド人の高度人材が母国に戻ることなく現地でキャリアを築くケースが多く見られました。しかし、2000年代以降、インド国内の経済やIT産業が急成長を遂げたことで、国外での経験を持つインド人が再び母国に戻り、国内の発展に貢献する動きが強まっています。


この現象は、インドの技術革新や経済成長、教育水準の向上に大きく寄与しており、「頭脳流出」とは異なる新たな視点から注目されています。


■頭脳流出から頭脳環流へ

1970年代以降、インドは経済的な困難に直面し、多くの優秀な人材がアメリカ合衆国やヨーロッパ諸国を中心に移住するようになりました。また、オーストラリアが白豪主義を撤廃した時代でもあり、オーストラリアへ渡る移民も増加していきました。


当時、特にエンジニアや科学者、医師といった高度な技術を持つインド人が職を求めて海外に流出し、その影響で国内の技術力や経済の活性化に歯止めがかかっていると懸念されていました。これが「頭脳流出」と呼ばれ、当時はインドの成長を阻害する大きな要因とされていたわけです。


1960年代後半はアメリカ合衆国で移民法が改正されたこともあり、1970年代になると中国人やインド人といったアジア人がアメリカ南部へ渡りました。これは「アメリカの産業構造の転換」も背景要因の一つであり、オイルショックによってエネルギー費用が高騰したため、省エネルギーの実現を求めて温暖な南部地域へと工業が移転していった時代です。


しかし、2000年代に入ると状況が変わり始めます。

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