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やっぱり地理が好き ~現代世界を地理学的視点で探求するメルマガ~

宮路秀作(地理講師&コラムニスト)

宮路秀作

やっぱり地理が好き #095:ジェニン難民キャンプにてイスラエル軍による襲撃とアメリカ合衆国の反応

ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00223/20230131223255105058 //////////////////////////////////////////////////////////////// やっぱり地理が好き ~現代世界を地理学的視点で探求するメルマガ~ https://foomii.com/00223 //////////////////////////////////////////////////////////////// 第95号(2022年1月31日発行)、今回のラインアップです。 ①世界各国の地理情報  ~ジェニン難民キャンプにてイスラエル軍による襲撃とアメリカ合衆国の反応~ //////////////////////////////////////////////////////////////// こんにちは。 地理講師&コラムニストの宮路秀作です。 日頃、周りの人たちからは「みやじまん」と呼ばれています。 今回で95回目のメルマガ配信となります。 「多様性」という言葉があります。最近では、当たり前のように多様性は認められるべきであるという論が支配的です。もちろん、わたくしもそう思います。人間というのは「生きているだけでオリジナル」でありますし、没個性なんてことをことさらに嘆く必要もなければ個性を出すための初手として新しいことに着手する必要もないと考えています。つまり、自分が持っている能力を掛け合わせて希少価値を生み出すことが大事と思います。 拙著『経済は地理から学べ!』(ダイヤモンド社)が発行されたのは2017年2月17日、初版8000部でした。じわりじわりと実売部数が伸びる学習参考書とは違い、発売直後の実売部数がどれくらい伸びるか、つまり「初速」によってその後の立ち位置が決まる、一般書とはそういうものです。それまで「経済」と「地理」を掛け合わせた書籍などはほとんど存在せず、なかなか希有な書籍として認識され、特に学生時代に地理を学んだ年齢層が購入してくださったようです。 人は誰しも、何かに誇りを持って生きているはずです。その誇りを傷つけられれば、誰もが怒ります。だからこそ、「多様性を認めろ!」という話になるのですが、個人的にはそもそも「『わざわざ』多様性を認めよう!」などという必要があるのだろうかと思っています。 決して多様性を認める必要がないといっているのではありません。むしろ認めるべきです。しかし、自らがもつ誇りを胸に秘めて、昨日の自分よりも強くなりたい、成長していたいと思って努力を続けていれば、他人などは関係ありません。勝負して優劣がつくのは、結果論でしかありません。 しかし、世の中では「多様性を認めろ!」という論調が支配的です。しかし、そう言われると「いやいや、認めていますよ。認めているけど、他者は他者なのであって興味などないから、勝手にやれば良いじゃないですか。わざわざ『あなたのことを尊重します』と言わなきゃならんのか?」と思うわけです。LGBTしかり、「どうぞ勝手にやってください」という考えであって、わたくしは「好き嫌い」と「認める認めない」は別次元のことであると思っていますので、嫌いだからといって認めていないと捉えられるのは困惑するわけです。 世界を見渡してみると、人類の歴史は戦争の歴史でもあります。日本で生活していると、なかなかにして平和ボケしやすい環境が整っているなと思いますが、遠く離れたところではロシアによるウクライナ侵略が発生してやがて一年が経ちます。その間、ナゴルノ=カラバフでは相変わらずアゼルバイジャンとアルメニアが紛争を繰り返しており、中国は尖閣諸島を「核心的利益」などと戯れ言を放ち、はたまたあれほど蜜月だったアメリカ合衆国とサウジアラビアは過去にないほど関係が悪化した状態となっています。そして、西アジアではパレスチナ問題が再燃しています。 彼らに「多様性を認めろ!」と言って、世の中が平和になるでしょうか。わたくしはならないと思っています。ロシアによるウクライナ侵略が発生した時、メルマガ第53号にて「ウクライナ正教会とロシア正教会」について解説したことがありました。物事には必ず視点が複数あるわけですが、宗教的視点で考えれば、どう考えても多様性を認めていないのはロシア側です。それぞれの信仰心をただただ深めていけば良いだけのはずなのに、相手の存在を認めようとしない。正統性や連綿性にこだわるあまり、相手の存在を認められないわけです。 だからこそ、人の世から争いなどはなくならないと思うわけです。であれば、「降りかかる火の粉」をどのようにして振り払うかを常に考えておくべきであり、火の粉を降らす相手を刺激しないようにするでは、根本的なことは何も解決しないわけです。多様性を認めるのであれば、相手の存在を認めるだけでなく、自分の存在を相手にも認めさせる必要があります。人間関係は常に対等なのですから。 それでは、今週も知識をアップデートして参りましょう。 よろしくお願いします!
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