… … …(記事全文4,296文字)【3行まとめ】
エプスタイン問題は、エリート層の倒錯スキャンダルでは終わりません。
弱みを握り、脅迫し、意思決定を歪める「ブラックメール装置」の疑いこそ本質です。
日本のメディアが構造を語らないなら、日本はこの渦に巻き込まれます。
米国で公開が進むエプスタイン関連文書をめぐり、世論は再び沸騰しています。ところが日本の報道は、相変わらず「海外の猟奇事件」「スキャンダル」として処理しがちです。私はそこに強い危機感を抱きます。
この問題の核心は、犯罪の異常性だけではありません。国家が国家を支配するために、どんな汚い手段でも使うという冷酷な現実です。ここを見誤れば、日本はいつか確実に巻き込まれます。
「変態事件」で終わらせること自体が、すでに敗北です
エプスタイン問題が厄介なのは、話題が性的搾取に集中しやすい点です。今回公開された350万ページにも及ぶ資料からは、恐ろしく残酷な犯罪の事実が次々と明らかになろうとしています。しかし、島で行われていた性的搾取と虐待を「変態の話」「おぞましい犯罪」とだけ捉えて終わるなら、最も重要な論点が抜け落ちます。
それは、性的搾取と虐待が単体で完結しないということです。違法性、羞恥、恐怖が揃うと、犯罪は脅迫の資源になります。人は「弱み」を握られると、表向きは自由に振る舞っていても、実際には操られます。これがブラックメールの本質です。
つまり、ここで問うべきは「誰が島にいたのか」だけではなく、「誰の意思決定が、どのように歪められ得るのか」という国家安全保障の問題なのです。
異様な処分、異様な獄中死 国家が最重要局面で「失敗」した意味
この事件が単なる刑事事件ではないと感じさせる要素は、初期の処分の軽さへの批判、そして再逮捕後の拘禁中死亡など、制度側の異様さが積み重なっている点にあります。
私はここで、特定の結論を断定するつもりはありません。しかし、国家機関が最重要局面で基本動作を崩し、決定的な疑念を残したこと自体が重大です。国民が不信を抱くのは当然です。
そして不信が広がるほど、支配層の側にとっては、さらに「透明化」を拒みたくなる。だが、その抵抗そのものが、事件の性格をより政治化させます。ここに、通常の犯罪事件にはない構図があります。
公開文書の衝撃 名前の列挙だけではなく、ネットワークの匂いを読む
公開された文書には、著名人の名前が含まれるとされ、世論の関心はそこに集中します。ネット上では、ビル・ゲイツをめぐる交際の経緯や、前妻のメリンダの発言、またアンドリュー王子がエプスタインとの交際を背景に社会的地位を大きく失ったことなど、具体的な事例が語られています。登場するのは社会の最上層部のエリートばかりです。なぜこうもエリートばかり大勢がターゲットにされ、集められたのか?そこには信じたくない現実があります。ひとつは、エリート層に小児性愛者や悪魔崇拝者が多いらしいという現実。そしてもうひとつは、これが本質的な問題ですが、なぜこのようなオペレーションが実行されていたのか、その目的です。

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