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山岡鉄秀(情報戦略アナリスト)

山岡鉄秀

自民党埼玉県議団の闇 県議に質問したら驚きの回答が来た!
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和歌山で問題になった自民党青年局の破廉恥パーティーですが、その源流は「青年局たるもの、少々羽目を外すぐらい元気にやらなければダメだ」という埼玉県連のカルチャーが源流になっていると報じられています。


その埼玉県連の核となっているのが、何かと物議を醸している田村たくみ埼玉自民党議員団長と、その最側近と言われる青年局中央常任委員会議長の細田善則埼玉県議です。本来ならば、藤原崇青年局長、中曽根康隆青年局長代理のみならず、県議集団のトップである細田議員も引責辞任すべきですが、だんまりを決め込んでいます。


さらに、文春のスクープで、田村たくみ団長が二次会で別の県議を裸にして縄で縛り上げ、自らはAKB48のコスチュームでマイクを握っている写真が露出しました。これを観れば、なるほど破廉恥の源流はここにあったかと思わざるを得ません。田村たくみ議員といえば、以前にも自身が過去に設立した個人企業に公金である政務活動費約1700万円を還流させている疑いが指摘されたうえ、不倫キス写真が出回っていました。


その田村たくみ議員の存在が知られるようになったのは、国に先駆けて埼玉県が「性の多様性を尊重した社会づくり条例」を成立させたときです。この時、田村団長が稲田朋美議員と親しく、後援会長をやっていることが話題になりました。


その田村団長が大恥をかくことになったのが、埼玉議員団が提出したいわゆる「留守番禁止条例」です。その内容は、成人の「養護者」が小学3年生以下の子どもを放置することを禁じ、「短時間でも子どもに留守番をさせる」ことが禁止事項に挙げられ、県民にも通報を義務づけるものでしたが、県民の猛反発を招いて本会議提出を断念するという前代未聞の事態となりました。


この時、住民の反発を予想して疑問を呈した自民党議員がひとりだけいました。諸井真英議員です。結果は諸井議員の懸念通りになったのですが、諸井議員は自民党議員団で孤立して敵視され、田村団長らは諸井議員の除名を画策し始めました。この時は世論のさらなる反発を恐れて断念したのですが、今年に入ってから約一年前に処理された諸井議員の経費を巡って騒ぎ出し、強引に諸井議員を会派から除名するという暴挙に出ました。


簡単に言えば、2023年3月31日までに払うべきだった勉強会の会費の支払いが、選挙のバタバタで見落としてしまい、4月6日になってしまったのですが、発生した年度での処理が必要と考え、3月31日支払いとして処理したことを捉え、不正を働いたとして除名してしまったのです。


支払いが遅れても、発生主義の原則に基づいて、費用が発生した年度で処理することはよくあることなので、自民党の埼玉県議団の事務局も当時それを受け入れて、政務活動費として処理して諸井議員に支払ったわけです。県議団は今頃になって、団では日付主義を慣行としているので、発生主義に基づく調整はできないと主張しているのですが、それならば、領収書提出の時点で事務局からその旨を諸井議員に告げるべきで、受け入れるべきではありませんでした。また、埼玉県議会の総務部は当該処理について問題にしていません。さらに、日付主義と言っても、明文化されていません。


支払いが遅れたミスはミスですが、架空の請求をしたわけでも、2重請求したわけでも、別の期に発生した費用を付け替えたわけでもありませんので、犯罪性はありません。注意の対象とし、費用を自己負担とするのならわかりますが、どう考えても除名は行き過ぎです。県議団は除名の理由として、政務活動費における誓約違反を挙げていますが、どの誓約に違反したのか開示を拒否しています。また、県議団の秩序を乱す行為だとも言っていますが、曖昧すぎます。


一旦は受け入れて処理したものを一年近くも経って問題視したわけですが、なぜか県議団が諸井議員に質問する前に読売新聞が諸井議員の不正疑惑として記事を書いています。支払いが6日間遅れたことは県議団事務局しか知りえないことであり、県議団がリークして書かせたとしか思えません。自分たちに逆らう諸井議員を何が何でも潰そうという意図が読み取れます。くだらない条例を次から次へと出しては世論の反発を買い、自分たちは破廉恥パーティーに興じながら逆らう人間は抹殺しようとする。埼玉自民党は自民党腐敗の象徴だと言えるでしょう。


さて、ここからは、私自身が体験したことを書きます。先日、Facebookのフィードを何となく眺めていたら、ある埼玉県議の投稿がありました。鈴木正人議員です。鈴木議員は以前から拉致問題に取り組んでいたそうで、今回の投稿も、拉致問題に取り組んでいる山谷えり子議員や松原仁議員を訪ねて意見交換をしたという趣旨のものでした。私は鈴木議員が諸井議員の前では「除名はやり過ぎだ」と言っていながら、諸井議員の除名に賛同したと聞いていたので、質問してみることにしました。以下、会話の要約です。


山岡

「なぜ諸井議員の除名に賛成したのか?」


鈴木

「明らかな領収書の改ざんがあったと判断したから」


山岡

「期ずれの修正であり、県議会の総務部が不問にしているものを改ざんと言い切って除名にまで賛成するのか?」


鈴木

「埼玉県議会は領収書主義であり、提出された領収書も本物ではなくサンプルであり、指摘を受けたのちに改ざんされていたことは明らかであり、県民の公金を使わせていただく立場からは問題だ」


山岡

「田村たくみ議員のSM緊縛パーティーには参加していたか?この問題を不適切と考え、議会で取り上げる意思はあるか?」


鈴木

「当時は自民党議員ではなかったので参加していないが、プライベートな飲み会であり、ポケットマネーで払われていたと聞いている。下品ではあるが、青年局のお金が入っているという具体的な証拠がない限り、和歌山の問題とは全くの別物だと考える。残念なお知らせだが、自民党で留守番禁止条例に反対したのが諸井議員だけだったという事実はない。団会議で質問と意見しただけであり、その後の団会議での承認の際には反対の挙手をしておらず、全会一致で団会議を通過している」


山岡

「私は会計処理の問題について、過失ではあるが、除名には値しないのではないかという疑問を呈したが、貴殿はやり過ぎではないと考えていると理解した。留守番禁止条例に関して、諸井議員は質問と意見しかしていないとのことだが、それならなぜ除名が検討されなければならないのか?諸井議員の除名は会計処理問題の以前、留守番禁止条例が撤回となった直後から俎上に上がっており、貴殿の説明では納得できない。SM緊縛パーティーについて、文春の指摘は、和歌山の破廉恥懇親会を平然と行うカルチャーの源流は埼玉自民党にあるというものだが、貴殿は青年局のお金さえ入ってなければ問題ないという立場であると理解した。県議は公人であり、プライベートであっても公序良俗に高い意識を持つべきである」(プライベートと言っても、議員の給与は税金由来である)


するとここで、埼玉で拉致問題に取り組んでいるとされる人物が、絡むのはネットの悪い癖だ、敵を間違えるな、という鈴木議員を擁護するメッセージを投稿してきました。それを受けて鈴木議員は、「ネットの世界では、最近ことさら評判の悪い自民党埼玉議連がろくでもないと叩くと面白いのかもしれないが、拉致に関する条例を作るために叩かれても前に進む」と返答しました。


その間、やはり埼玉県で拉致問題に取り組む知人から、「鈴木議員が会って直接説明したいと言っているので、わかってやって欲しい」との留守録メッセージがありました。私は、鈴木議員が第三者に仲裁を頼む一方で、Facebookでは上から目線でネットの戯言と言い放つ傲岸不遜な態度を批判し、「SM騒ぎを看過するような議員は保守ではないし、支援者に同調して逃げるなら私に会って説明する気など毛頭ないと理解する」と返しました。


すると、鈴木議員は、「なぜそんなに必死なのかわからないが、諸井さんを山岡さんの支持する参政党や保守党に迎え入れるのもよろしいかと思います」と返答してきました。その一方で諸井議員のFacebookページに飛び、「ジャーナリストを使って突然絡ませた」などと諸井議員を責め出したので、見かねた私は「どうしてもまだ議論したいなら、諸井さんに迷惑をかけられないので、私があなたの事務所に伺うので、ここで食い下がるのはやめてください」とお願いしました。


しかし、鈴木議員は「言いがかりにしか聞こえない。突然絡んできた。勝手な解釈ばかりだ、朝日新聞や東京新聞よりひどい」と怒りを露わにし、「最後に確認させて欲しいが、自分が応援している人なら政務活動費の領収書を改ざんして受給することは大したことではないということでいいか?」と聞いてきました。


極めて悪意のあるものいいです。私は改めて、支払いの遅れが過失なのは事実だが、悪意ある改ざんではなく、除名はやりすぎであるという私見を述べ、こちらからも改めて、なぜ留守番禁止条例に関して質問して意見しただけで除名が検討されなくてはならなかったのかを尋ね、鈴木議員自身は質問もせずに賛成したのか確認しました。


それについて鈴木議員の回答は以下の通りでした。

1.    裏金問題は批判しながらも、税金で賄われる政務活動費の不正受給はOKというのはダブルスタンダードだ。

2.    諸井議員の議員団を貶める一方的な発信や週刊誌ネタが怒りを買った。

3.    留守番禁止条例の団会議提案は全員賛成だった。


要するに、鈴木正人議員は、諸井議員が政務活動費を悪意を持って不正に受給し、議員団を貶める一方的な発信をしたから除名されたのだと言い、自分自身は大ひんしゅくを買った留守番禁止条例に質問もせずに賛成していたのです。


鈴木議員の怒りは止まず、「ところで、思い込みが激しいですが、今回の件で何人くらい取材されたのですか?」としつこく聞いてきました。私は既に鈴木議員への質問から始めたと答えており、これ以上のやりとりは不毛と判断して返答をやめました。鈴木議員はその後、周囲に「諸井の仲間のジャーナリストに絡まれた」とぼやいていたそうです。


鈴木正人議員は長く無所属で小さな会派に属しており、委員長などの2期生ぐらいで経験する役職すら経験したことがなかったのですが、一年ほど前に自民党に入党してから文教委員長に任命され、すっかり最大派閥の議員として振舞うようになり、明らかに田村たくみ議員を擁護しています。拉致問題に取り組んで来たことは確かなようですが、留守番禁止条例に賛同し、同僚議員の6日間の支払い遅れの修正を「改ざんによる不正受給」と断定し、除名に賛同するとは理念のある政治家のやることとは思えません。


私との議論が引き金になったのか、自民党埼玉議員団が突然、会議の議事録を公表しました。諸井議員の発言がわざわざ赤字になっていました。それを読むと、諸井議員はやはり留守番禁止条例に懸念を示し、撤回を支持していました。一方、鈴木正人議員はまったく発言していませんでした。鈴木議員は諸井議員だけが反対したという事実はない、嘘だというなら議事録を公開してやると挑発的な発言をしていましたが、議事録を見れば、やはり諸井議員だけが懸念を表明していました。何のために議事録を公開したのでしょうか?


拉致問題に取り組む姿勢を見せれば、保守系議員だとの印象を与えることはできます。しかし、それだけで本当に信念のある保守系議員だと言えるでしょうか?例えば、自民党の古谷圭司議員は、長年拉致問題に尽力したことで知られ、日本会議が頼りにする重鎮ですが、いきなりLGBT理解増進法案を先導し、「反対しているのはネトウヨだ」などと暴言を吐きました。


自民党の新藤義孝議員は母方の祖父が硫黄島守備隊を率いて奮戦した栗林忠道中将であることを誇りにし、安倍元首相が米国の上下両院合同会議で演説した際は、硫黄島で戦った米国人兵士の子孫と握手するパフォーマンスを演じましたが、やはりLGBT理解増進法案の旗振り役となり、党内の反対を強引に押し切りました。


結局、保守的なポーズは取っていても、彼らの行動原理は自己保身と自己利益追求なのです。理念や信念で行動していないことが明らかです。


鈴木正人議員と私のやりとりを見ていたある国会議員から次のメッセージが送られてきました。


「百歩譲って、自分の支援者の意向なども踏まえて、良いポストを得て、県民のために仕事で恩返ししたい、お役に立ちたい、ということで、仲間を裏切って他の政党や会派に移るというなら理解できます。しかし、客観的な事実を捻じ曲げてまで自己を正当化し、事実上いじめにあって窮地におちいっているかつての同志を擁護するどころか批判したりするのは、保守とかリベラルとか思想以前の問題で、人として許されないと思います。残念でなりません」


私に「保守同士で争ってはいけない。敵を間違えるな」と言って来た人がいますが、自己利益のために平気で手の平を返すような人は保守ではありません。むしろ、「味方を間違えるな」と警告したいと思います。


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