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藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~

藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)

藤井聡

選挙直前に拡散する「SNSデマ」にご注意を――「消費税12%」情報をなぜ“デマ”の類だと判定したのか
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選挙まであと5日。

 

SNS上では、ますます怪しげな情報が飛び交い、「デマ」の拡散が激化しています。どうか皆さん、目にする情報の真偽を、いつも以上に冷静に吟味していただきたいと思います。

 

先ほど当方のXのコメント欄を見ていて驚いたのですが、

 

「【驚愕】自民党!消費税12%へ!選挙後に勝手に決める!」

 

といった書き込みが、複数確認されました。

要するに、「自民党は、食料品の消費税を2年間ゼロにする代わりに、その後は12%へ引き上げることをもくろんでいる」という主張です。

 

これが事実なら大問題!

 

そこで出所をたどってみたところ、どうやらソースは下記の記事のようでした。

 

『一部で浮上した消費税12%説…大手メディアがスルーする「食料品減税2年間の後どうするか問題」…』

https://news.yahoo.co.jp/articles/00533aaa4fde478b3c15de291edcea7b8d1e8b28?page=3

 

該当部分は次の一節。

 

「筆者が取材を進めると政府内では『2年間限定』で食料品の消費税率ゼロ化をした場合、それを元に戻した後に全体の消費税率を現行の10%から2%引き上げ、合計12%とする案が一部で浮上していることがわかった。」

 

――実に曖昧な書きぶりです。

 

この表現なら、財務省の一部官僚が「いずれは12%に上げたい」などと私的に口にしただけでも成立してしまいます。

 

そもそも財務官僚や緊縮派の関係者は、政権が誰であろうと常に増税を考えているのが実態です。

 

その意味では、いつどんな時期でも「12%案が一部で浮上」と書くことは可能なのです。

 

その程度の情報を、ことさらにこの選挙のタイミングで記事化し、「高市政権は12%に上げるつもりだ!」とあおり立てるのは、悪質な選挙誘導のための印象操作と言わざるを得ません。

 

もちろん、もし高市氏が本当に12%への増税を企図しているのなら、私は全力で反対します。

 

しかし――「消費減税は私自身の悲願だ」と明言してきた政治家が、その裏で増税をもくろんでいるなど、常識的に考えてあり得ません。そして高市氏は、そうした常識から著しく逸脱するような方だとは思えません。

 

さらに重要なのは、この「12%」という話は、政府の正式な決定でも、公約でも、当事者の発言でも、そのどれにも当たらないという点です。にもかかわらず、あたかもSNS上の書き込みではまるで「既定路線」であるかのように語られていること自体が不自然なのです。

 

したがって当方は、上記の根拠に基づけば、「高市政権は消費税を12%に引き上げようとしている」という話は、少なくとも現時点では根拠不在の“デマ”の類だと判断せざるを得ないと考えています。

 

…いずれにせよ、選挙戦が佳境に入るほど、こうした情報戦は激しくなります。

 

どうか皆さんも、目の前に流れてくる言説を鵜呑みにせず、しっかりと吟味した上で、投票という形でご判断をお示しください。



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