Foomii(フーミー)

藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~

藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)

藤井聡

財務省に超警戒されているMMT(現代貨幣理論)をもってしても、「コロナ過剰自粛」に象徴される「過剰医療」は、全く正当化できません。

最近、MMT(現代貨幣理論)っていうと、さながら「反社会勢力」のような扱いを受ける空気が、メチャクチャ拡大しています。

 

細かい事はさておきますが、某政党においても、かつてはそうでもなかったのに、かつ、MMTをそれなりに理解している人達でも、

 

「MMTって行っちゃうと、見んな離れて行っちゃって、政治力がかえって減退しちゃうから、MMTって言わないようにしてるんですよ。だから、藤井さんって、MMTって言ってるっでしょ?だから、藤井さんは、呼べないんですよ。ホントは来てほしいって思ってるんですけどね」

 

なんて平気で言う様になってきました。

 

さらにびっくりしたのが、某大学の某人事で、某人材の人事審査をしているときに、その某人物が以前MMTについて少しだけ肯定的に語ってた、っていうのが某人事会議で問題になって、それが原因で、某人事が(普通なら絶対否決されるようなことの無い段階で)否決されてしまう、っていうことすらありました。

 

要するに、MMTっていうと、「過激派」のような扱いを受け、政府関係者が内容はさておき、そんなものに関わった途端に全部アウト!となるような超絶なタブーになってるようです。

 

ホント、人間って卑しい奴らだなぁとしか思えませんが、どうやら今は、そういう状況になってるようですね。

 

が、かつては「ジャニー喜多川の幼児虐待」が、TVメディアでは絶対タブーになってるのに、今やもう、ジャニー喜多川を否定しなきゃヤバい、っていうような状況になったりすることもありますから、MMTについてもこれからどうなるか分かりません。

 

なので、当方はMMTについては、MMTという言葉を使うかどうかは別として、

 

(1)貨幣の発行者は政府であり、政府は自国通貨建ての借金で破綻することはない。

(2)だから、PB規律だとか何だとかは全く意味がなくて、いろんな経済状況が不適切な状況になるかどうかを(例えばインフレ率や実質賃金の上昇率、為替、金利等を見ながら)、適切な国債発行額を調整していくことが必要だ。

 

という主張は延々と続けていこうと思っています。

 

…が、今日はそんなMMTについて、「単純なMMT信者が陥っている誤り」、について一つ指摘しておきたいと思います。

 

それは、「MMTがあるからコロナ自粛はどんだけやっていい!」という、コロナが流行ってた頃に言われてた言説の「根本的誤り」についてです。

 

MMTの言説でしばしば言われるのは、次のような話しです。

 

1)デフレならインフレになるまで財政拡張は必要。

2)インフレが過剰になったら、緊縮的な財政を行うべき。

3)だから、今はデフレなんだから、今は、医療費拡充も全然OK.

4)だから、コロナに対しても、(過剰インフレになるまでは)徹底的に国債発行してもいい。

 

この論調、コロナ流行期にメチャクチャいわれてて、当方が過剰自粛はダメだと主張してたときに、

 

「あいつはMMTを捨てたクズだ!」

 

なんて論調で超絶に批判されてたのです。

 

…が、上記の1)~4)は間違い、です。

 

なぜそういえるのか…それについて、今日とあるところで文章を書いたので、それについて、下記に紹介したいと思います……

 

… … …(記事全文3,640文字)
  • バックナンバーを購入すると全文読むことができます。

    購入済みの読者はこちらからログインすると全文表示されます。

    ログインする
  • ひと月分まとめての販売となります。1記事のみの販売は行っていません。

    価格:880円(税込)

    2023年10月分をまとめて購入する

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2024年11月19日に利用を開始した場合、2024年11月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2024年12月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、d払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払いをご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

キャリア決済での購読の場合、次のサービスが利用できます。

docomo au softbank

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する