… … …(記事全文4,487文字)8月11日の日本経済新聞のコラム、大機小機は『「消費増税=景気悪化」の誤解』という論説。読んでみたところ、凄まじいウソと詭弁に満ち満ちた内容で、タイトルにあるとおり「消費増税=景気悪化」という主張は、単なる誤解だ、というもの。
そのいいぶりが実に酷く、
「消費増税が景気を悪化させるという理屈は…目先だけ見る素人には分かりやすいが、経済全体の動きを考える現代の理論家には完全否定される」
「消費税率と経済活動に関係がない」
「『消費増税=景気悪化』という図式に根拠はない」
と、断定した上で、消費税増税で景気が悪くなる、という主張に「政治家は安易に飛びつき、それにこびる論者も現れる。その結果、景気も回復しないまま、政府財政は最悪の事態になっている。」と言い募っています。
つまり当方の様に、学者の立場で消費税増税に反対し、減税を主張する論者は、まるで「ポピュリズムの政治家に媚び、世間に害悪をまき散らすクズ学者だ」といわんばかりのいいぶりなのです。
ですが繰り返しますがこの論説、一から十までウソと詭弁なのです。以下、くわしく解説して参りましょう。
藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)