━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/08/21 台湾の馬英九総統が示す正論 第323号 ──────────────────────────────────── 台湾の馬英九総統がNHKのインタビューに応じて、 「尖閣諸島を巡っては、関係するすべての国と地域が島への上陸などの行動を そろって自制することが重要だ」 との考えを示したと報じられている。 報道によると馬英九氏は尖閣諸島について、 「台湾に属する島だ」 と述べて領有権を主張した一方で、台湾と同じように尖閣諸島の領有権を主張 する中国と連携して日本に対抗する意図はないことも明確にし、尖閣諸島を巡 る主張の違いによって日本との関係が悪化することは避けたいという立場を強 調した、とのことである。 そのうえで馬英九氏は、尖閣諸島に上陸して逮捕、強制送還された香港の活動 家らが10月ごろに再び上陸する計画を検討していることについて、日本の地 方議員などが尖閣諸島に上陸したことに触れながら、 「最も重要なのは、いずれか一方だけに自制を求めるのではなく、皆が平和的 に争いを解決する方法を探ることだ」 と述べて、関係するすべての国と地域が島への上陸などの行動をそろって自制 することが重要だという考えを示したと、NHKは報じている。 馬英九氏は8月5日、争いを平和的に解決するための提言である「東シナ海平 和イニシアチブ」という構想を打ち出して、関係する国や地域による資源の共 同開発を呼びかけた。 この「東シナ海平和イニシアチブ」について、琉球新報社説は次のように論評 している。 「台湾の馬英九総統が、日本のほか、中国と台湾が領有権を主張する尖閣諸島 の問題で、「行動規範」策定など5項目を内容とする「東シナ海平和イニシア チブ」を提言した。 (中略) 日中を念頭に、関係国の話し合いで平和的解決を図るとする提案は、国連憲章 にも沿うものでもあり傾聴に値する。… … …(記事全文4,820文字)
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