━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/08/20 次期総選挙に向けて第三極の連携を予測する 第322号 ──────────────────────────────────── 衆議院の任期は2013年8月29日で満了になる。あと1年を残している。 しかし、野田佳彦氏は消費増税法案を参議院で可決、成立させるために自民党 の谷垣禎一氏、公明党の山口那津男氏と密談し、「近いうちに」総選挙を実施 することを決めた。 「近いうちに」が「2013年8月まで」の意味ならば密談の意味はなくなる。 自民党の谷垣禎一氏は、総選挙日程が先送りされると、9月の自民党総裁選で 自民党代表の地位から降ろされる可能性が高まる。 そこで、野田氏に早期の解散・総選挙を求めたとされる。 消費増税法案は可決されたが、赤字国債発行法案はまだ可決されていない。赤 字国債発行法が成立しないと、赤字国債による財源調達ができず、政府機能が マヒする可能性が生まれる。 遅くともこの法律は10月までに成立しなければならず、その可否が危ぶまれ ている。 谷垣氏としては、この法律を人質にして野田氏に解散・総選挙を迫れるという ことになるが、そのような強気の交渉姿勢を谷垣氏がとることができるか。明 確ではない。 総選挙をめぐる大きな背景として考えておかねばならないことは、消費増税を 主導している財務省が、総選挙日程をできるだけ先送りしたいとの意向を有し ていることだ。 消費増税法案の可決から時間を置かずに総選挙を行えば、総選挙が消費増税選 挙になってしまう。これを財務省は避けたいのだ。 考えてみると、消費増税に賛成しているのは、日本の利権複合体である。 米国は日本からの上納金の財源が枯渇しないことを強く望んでいる。 官僚機構は天下り利権などの官僚利権を温存するために、消費増税を求めてい る。 財界は庶民に消費増税を押し付ける見返りに、法人税減税という利得を確保し ている。 利権政治屋は消費増税に賛成する見返りに、巨額の公共事業利権を得ることを… … …(記事全文4,140文字)
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