━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2011/12/13 政権公約守れの指摘を無責任と評する読売新聞の不見識 第74号 ──────────────────────────────────── 野田佳彦内閣の支持率が順当に下落を続けている。 朝日新聞が12月10、11日に調査した直近調査では支持率が31%、不 支持率が43%となり、不支持率が初めて支持率を上回った。 NHKをはじめとする他の調査でも概ね同じような結果が示されている。 これらの調査では同時に、一川保夫防衛相、山岡賢次消費者相を野田氏が続 投させたことについて評価するかどうかを問い、評価しないの回答を引き出し ている。 つまり、内閣支持率低下は二人の問題閣僚を野田氏が続投させたことにある との解説を生み出しやすいように問いが設定されているのだ。 しかし、もしこの問いに、例えば、 防衛問題に詳しくない一川氏を防衛相に、ネットワークビジネスと関わりのあ る山岡氏を消費者相に起用したのは野田首相ですが、野田首相に任命責任があ ると思いますか。 であるとか、 野田首相は、民主党の党内論議でTPP交渉参加に反対意見が多数を占め、T PP交渉への参加に慎重に対応するべきとの結論が示されたにもかかわらず、 独断で実質的なTPP交渉への参加を表明しましたが、あなたはこの野田首相 の行動を評価しますか。 あるいは、 民主党は2009年8月総選挙で、天下り根絶など政府支出の無駄を排除し切 るまでは消費税増税には手をつけないことを公約に掲げ、主権者である国民は この民主党を大勝させて政権交代が実現しました。さらに、その後、2010 年7月の参院選では、菅首相が突然、消費税率の10%への引上げを提案しま したが、主権者である国民はこの民主党を惨敗させて、消費税増税にNOの意 思を明示しました。それにもかかわらず、野田首相は消費税増税を強行実施し ようとしていますが、あなたはこの野田首相の行動を評価しますか。 などの問いを設けるべきだ。… … …(記事全文4,125文字)
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植草一秀(政治経済学者)