━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2011/12/05 消費税増税阻止のため選挙協力同盟創設を 第66号 ──────────────────────────────────── 自民党、公明党が一川防衛相に対する問責決議案を参議院に上程する見通し である。決議案は賛成多数で可決される可能性が高い。また、山岡賢治国家公 安委員長兼消費者担当相に対しても同様の措置が検討されている。 一川防衛相は防衛省の田中聡沖縄防衛局長が11月28日夜の那覇市居酒屋 でのオフレコ記者懇談会席上で、一川防衛相が辺野古基地建設のための環境ア セスメント評価書を年内に提出すると断言しない理由について問われて暴言を 吐いた。 田中局長が、「(女性を)犯す前に「これから犯しますよ」と言いますか」 と発言したことが報道されたのである。 田中局長個人の資質、人格に問題があることは明白だが、より重要な問題の 本質は、政府の基本姿勢にある。沖縄県民が辺野古移設に明確にNOの意思を 表明し続けているにもかかわらず、政府は沖縄県民の総意を踏みにじる対応を 続けている。 自民党は名護市に予算措置をばらまくことで名護市を懐柔し、基地受け入れ を強要させつつあったが、名護市民の意識が変化して、現状では名護市も基地 反対の意思を明確にしている。 つまり、一川防衛相個人の問題よりも、野田政権の沖縄に対する基本姿勢に 重大な問題がある。前原誠司氏は一川防衛相に対して「勉強が足りない」など の暴言を吐いているが、前原氏こそ、沖縄担当相として辺野古基地建設を回避 するために何の仕事もしなかった張本人である。前原氏は米国の茶坊主として 辺野古移設を強行に推進したと見られており、沖縄問題で発言する資格を有し ない。 前原氏のような低劣な議員を政調会長の要職に起用していることにも野田佳 彦氏の人事の不適切さが示されている。 私は野田政権発足時点から、野田佳彦氏が小沢派に属する二人の閣僚人事に 時限爆弾を仕掛けたのではないかと指摘してきた。 一川保夫氏が防衛問題のプロフェッショナルでないことは事前に明白であっ た。かつて、菅直人氏が柳田稔氏を法務大臣に起用したが、就任2ヵ月余りで 辞任に追い込まれた。柳田氏自身が法務行政のプロでないことを公言していた にもかかわらず、菅直人氏が不適切人事を強行して早期辞任に至ったのだ。 適材適所の人事を掲げるからには、各大臣に所管の行政についての深い見識 を有することが求められるのは当然だ。正確な知識と深い見識を持つ人材を各… … …(記事全文6,056文字)
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植草一秀(政治経済学者)