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板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~

板垣英憲(政治評論家)

板垣英憲

「養子案」は伝統から外れた「禁じ手」。養子の子に、伝統を歪めた「明治典範」の流れを汲む「現行典範」で「皇位継承資格」があると示されても、日本国民が敬愛の心で受け入れられるものではない

「養子案」は伝統から外れた「禁じ手」。養子の子に、伝統を歪めた「明治典範」の流れを汲む「現行典範」で「皇位継承資格」があると示されても、日本国民が敬愛の心で受け入れられるものではない

◆〔特別情報1〕
 共同通信は10日、「男系継承、古来例外なく維持と官房長官」という見出しをつけて次のように報道した。
《木原稔官房長官は10日の衆院議院運営委員会で、現行の皇室典範1条に関し「男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえ、皇位は皇統に属する男系の男子がこれを継承すると規定されている」と述べた。》
 実は、木原官房長官からこの説明の言葉がすぐには出来ず、答えられるまでに、あたふたしながら50秒もの時間がかかっていた。そのときの状況を女性自身が取り上げていている。
 女性自身は11日、「『何で答えられないの?』木原官房長官 “男系男子に限定する合理性”問われ即答できず…高市首相“右腕”の“50秒フリーズ”にSNS落胆」という見出しをつけて次のように報道した。
《本会議に先立って行われた衆院運営委員会で、同党(共産党)の塩川鉄也議員(64)は、「皇族となった養子は皇位継承資格を有しないとする一方、養子の子や孫においては皇位継承資格を有すると規定しています。これは全体会議では一切説明がなかったことであります。政府が法案にした段階で突如盛り込まれたものです。これは率直に言って、国民と国会を愚弄するようなやり方ではありませんか」と問題視。
 続けて、塩川氏が指摘したのが、改正案でも皇位継承資格が“男系男子”に限られている点だ。塩川氏は、「日本共産党は女性天皇、女系天皇を真正面から議論すべきだと繰り返し述べてきました。国民の総意に基づく日本国民統合の象徴の地位にある天皇を、男性に限定している現状を正すことは、両性の平等、ジェンダー平等を発展させる上でも意義のある改革になると思うからです」と発言。
 塩川氏は、「憲法第一条は天皇を日本国民統合の象徴としています。多様な性を持つ人々によって構成されている日本国民の統合である天皇を男性に限定する合理的な理由はどこにもありません。女性天皇を認めることは、日本国憲法の条項と精神に照らして合理性を持つと考えます」と述べ、木原稔官房長官(56)に対して、こう投げかけた。
「なぜ、女性ではだめなのか。なぜ男系男性にこだわるのか?」
これを受けての答弁だが、木原氏は即答できなかった――。
 手元の資料を何度もめくり、時には後ろを振り返って事務方のサポートを受けながら、慌てた様子で適切な答えを探す木原氏。あくま“男系男子”にこだわるのであれば、明確な答えを持っているはずだが、木原氏にとっては想定外の質問だったのか、こうした状況が50秒近く続き、「委員長すみません。止めてもらえませんか」と申告する場面もあった。
 (中略)
 なお、ようやく答弁に立った木原氏は、「現行の皇室典範第1条においても、男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえ、皇位は皇統に属する男系の男子がこれを継承すると規定されていると考えているところであります」と主張。令和 ()3年の政府有識者会議で、皇位の継承には制度的な安定性が重要と報告されたことなどに触れ、「政府としてはこの報告を尊重しております」と締めくくっていた。》

 本会議に先立って行われた「皇室典範等の一部を改正する法律案」を審議する衆院運営委員会は、いつも中継などで目にする委員会とはまるで趣が違うものだった。静謐な環境というものを狙った演出なのかと思うほど、ヤジはなく、発言者は皆一様にペーパーを手に、ほとんど抑揚をつけず、目線を落としたまま淡々と読み上げていた。議場がいつになく静寂だからだろうか、まるで劇場で役者が台詞を発しているかのように発言の声が響いていた。そしてある意味で最も奇妙なことは、委員会に集う全員が、男性であるということ。女性は一人もいない。その異様ともいえる光景のなか、皇族数の確保から皇位継承問題にわたって、全て男性により言葉が発せられていった。
 日本の政治は、いまも男性優位の社会である。男女平等の日本国憲法のもと、象徴天皇制が定められていながら、それを運用する政治の世界は、歪ともいえるほど男性優位のままである。その政界において「男系男子」を維持するための「皇室典範改正」の中身が決められているということだ。
 だから、「なぜ、女性ではだめなのか。なぜ男系男性にこだわるのか?」という根本的な疑問に官房長官が即答できない珍事ともいえる事態が起きたのである。
 日本の皇統が、「男系」で継承されてきたということは否定するものではない。しかし、「男系男子」と明文化し規定したのは、明治典範からであって、「悠久の歴史」などといえるものではない。
 日本国民が立太子を待望する愛子さまは、正統なる直系の「天皇長子」「男系」皇族である。それでありながら「男子」でないその一点で、「男尊女卑」の明治典範を踏襲する「現行典範」のもと皇位継承者から外されている。滑稽な話である。繰り返すが、愛子さまは、「男系」の「天皇長子」皇族なのだ。
 木原官房長官はそのことをわかっているからこそ、答えに窮したものだろう。男系の女性天皇が10代8人おられた歴史的事実との整合性が保てず、「つなぎ」という卑下する言葉でしか説明がつけられない。まさに男尊女卑でしか成り立たない、苦しい矛盾を押し通してきた皇室典範が、皇族数減少の現状をつくってきたのである。以下、特別情報である。

… … …(記事全文7,247文字)
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