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板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~

板垣英憲(政治評論家)

板垣英憲

◆『小沢一郎の時代』(1996年2月6日刊)  第9章 自民党との利権の争奪戦と分割統治   国防利権

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~   2023年1月29日 ◆─── - - -                    - - - - - ───◆ 世界の政治・軍事・経済・金融を支配するパワーエリートの動きやその底流で 行われている様々な仕掛けなどを中心に、重要情報(特ダネ)をキャッチして速 報する。                          政治評論家 板垣英憲 ◆─── - - -                    - - - - - ───◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆『小沢一郎の時代』(1996年2月6日刊)  第9章 自民党との利権の争奪戦と分割統治   国防利権 ───────────────────────────────────  まず、「国際貢献」で俄然脚光を浴びてきた自衛隊に絡む「国防利権」をめぐる争奪戦の最前線の模様にスポットを当ててみる。国防利権は、従来、自民党の金丸信元副総裁が握っていた。金丸信は、昭和五十二(一九七七)年十一月二十八日発足した福田改造内閣の防衛庁長官を務めた。これを契機に急速に防衛庁関係の企業との関係を深めた。三菱重工業をはじめ川崎重工業などである。自民党の安全保障調査会、政務調査会国防部会のポストを押さえ、国防族のドンにのし上がった。  防衛予算は、平成六年度政府予算のうち、四兆六千八百二十五億円(政府予算の六・五%)装備費は、九千九百八十六億円(防衛予算の二一・三%)である。  これは、公共事業のいわば「国防版」である。防衛予算が、公共事業費と同質の性格を持っているとは、一般には明確に意識されていない。けれども、公共事業費が建設省に関係する建設土木業界、運輸省関係の港湾関係業界に支払われるのとおなじように、毎年の防衛予算のうち、装備費は、軍需産業に支出されており、三菱重工業や川崎重工業などの大企業などの安定経営を保証している。これら軍需産業には、美味しい儲け口である。政府(防衛庁)これら軍需産業とをつないできたのが、自民党の国防族議員だった。その頂点に金丸信がいた。  金丸信は、昭和五十五(一九八○)年三月十日、国防利権を一つにまとめて、支配権を誇示し、堅固にする目的で、「日本戦略研究センター」(事務局・東京都港区六本木7-8-7、第二松田ビル2025)を設立して、自ら会長に就任した。理事には、統合幕僚会議議長や陸海空三自衛隊の幕僚長、師団長、総監部総監、護衛艦隊司令官、自衛艦隊司令官、航空基司令官経験の制服組を据えて、防衛庁・自衛隊との密接な関係を世間に示したのである。自衛隊の制服組のトップクラスと三菱重工業や川崎重工業など、軍需産業を結びつけて防衛予算を牛耳るのが、目的である。制服組のトップクラスは歴代、三菱重工業や川崎重工業など軍需産業に顧問などのポストを得て、「天下り」して、一定期間役職を務めてきている。  彼らの使命と仕事は、政府の防衛予算のなかで、戦車や護衛艦、自衛艦、戦闘機などをつくる予算を獲得して、軍需産業に貢献することであった。つまり、軍需産業の「尖兵」として働くことだった。「日本戦略研究センター」は、そのための最前線の基地としての機能を果たしきたのである。
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