□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2018年12月21日第793号 ■ ============================================================== 外交の劣化を象徴するIWCからの脱退という暴挙 ============================================================== 驚いた。 南極海での調査捕鯨が出来なくなるからといって、日本が国際捕鯨委 員会(IWC)から脱退する方針を固めたというニュースが駆け巡って いる。 私が外務省にいた頃から、国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退が口 にされることはままあった。 しかし、それは冗談としてだ。 水産庁のタカ派が愚痴をこぼして言うセリフでしかなかった。 ところがそれが現実になりそうだというのだ。 あり得ない選択肢である。 戦後の日本外交は国際協調を外交の一大方針にしてきた。 あらたな条約に加盟することはあっても、加盟していた国際条約から 、日本の立場が聞き入れなかったからと言って、離脱することなど、これ までの外務省の判断としてはありない。 もし外務省がそれを許すなら、もはや外務省は完全にかつての外務省 ではなくなったということだ。 いくら安倍政権でも、そんな馬鹿な事はしないはずだ。 そんな事をすれば国際連盟を脱退した時の日本になる。 批判され、国際的に孤立する。 さすがの菅官房長官も、まだ何も決めていないと釈明している。 しかし、こんな記事が出ること自体が国際的にマイナスなのだ。 そう思っていたら国民民主党の玉木雄一郎代表が語ったらっしい。 「機能しなくなったIWCから脱退すべきだ」と。 こんな発言をしているから国民民主党は支持率が上がらないのだ。 安倍政権がまともに見えるのだ。 政府は脱退を見送る事になるだろう。 そこまで安倍外交は馬鹿ではないと思いたい(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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