□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年8月30日第668号 ■ ============================================================ 萩原流行のバイク事故死の真相は今こそ徹底究明さるべきだ ============================================================ きょう8月30日の一部の新聞が一段の小さな記事で報じていた。 昨年4月に俳優の萩原流行さん(当時62歳)がバイクで転倒して死亡した事故で、東京簡易裁判所は、警視庁の護送車が転倒の原因だったとして、自動車運転処罰法違反(過失致死)罪で、運転していた高井戸署の警部補(57)に、罰金70万円の略式命令を出したと。 この報道は一面トップで報じられてよい大きな判決だ。 事件直後の報道では、事故死の原因は萩原流行に非があったといわんばかりの報道だった。 私なども、バイクの趣味が高じて起こした事故だろうという思い込みで当初はやり過ごしていた。 しかし、事故の原因に疑問を抱いた奥様の追及によって検証が始まり、ついに警察官の過失致死による事故死であることが確定したのだ。 言うなれば、萩原さんは警察(国家権力)の不注意により殺されたということだ。 本来ならば警察庁長官が国民に向かって謝罪するぐらいの大きな事故死である。 そこで思い出すのが高知白バイ事件だ。 2006年3月に高知県高知市で起きた白バイとスクールバスの衝突事故は、スクールバス運転手が安全確認不十分のまま道路に進入したため起きたとされたが、その後の検証や複数の目撃証言で、バスは停止していたこと、ぶつかって来たのは白バイの方だったという疑惑が強まった。 しかし、結局この事件はスクールバス運転手の責任が問われて終わった。 今度の萩原さんの事件は、あらゆる冤罪に見られる国家権力による犯罪の属性を見事にあぶりだしてくれた。 最初は、国家権力に非はなかったとごまかされて終わろうとする。 しかし、家族や関係者の懸命の真実追及の訴えと努力で、当初の判断がゆらぐ。 それにもかかわらず国家権力は物事を過小評価してやり過ごそうとする。 本来ならば被害者である国民側に立って国家権力の非を追及すべきメディアが、逆に権力側に有利な報道に終始する。 その結果、どれだけの国民が悔しい思いをしてきたことか。 この不条理こそ、今の日本の政治の貧困を見事にあらわしている。 弱い者が泣き寝入りして終わるような社会であってはならないのだ。 悪事を働いた権力者が、ごまかして生き延びる社会であってはならないのだ。 萩原さんのバイク事故死と、それをめぐるこれまでのメディアの報道は、今こそ再検証されなければいけない。 メディアは奥様の真実追及の努力に敬意を払い、今度の東京簡易裁判所の判決を、一面トップで報じるぐらいでなければいけないのである(了) ─────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)