□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年8月28日第664号 ■ ============================================================ ガザのトンネルを「貧者の兵器」と言った大治朋子記者を許さない ============================================================ 毎日新聞がイスラエル発大治朋子記者の「AIロボット最前線」という連載を始めた。 それはイスラエルが無人兵器市場において最先端を走っている事を解説するイスラエルの宣伝特集記事だ。 それはいい。 毎日新聞がそういう新聞社だからだ。 そして、その毎日新聞の社命でイスラエルに派遣された大治記者がイスラエル寄りの記事を書くこともやむを得ない事だ。 それだけで大治記者を批判するのはお門違いだ。 しかし、この記事だけは許せない。 特集連載の第二回目にあたるきのう8月27日の記事に、パレスチナの過激派ハマスが建設するエジプトに通じるトンネルの事が書かれてた。 その記事の要旨はこうだ。 壊しても壊してもハマスがトンネルを建設する事に手を焼いたイスラエルは、ついにカネにものを言わせてトンネル掘削を自動感知する人工頭脳のロボットを考え出した。 それでもイスラエルはハマスのトンネル建設を止められない。 掘削を探知したら先制攻撃するしか手がない。 こういう記事だ。 私が許せないと思ったのは、大治記者がトンネルを「貧者の兵器」と呼び捨てたことだ。 そこには、パレスチナが置かれている絶望的な状況に対する配慮は皆無だ。 エジプトへのトンネルは、すべての出入り口をイスラエルにふさがれ監獄状態になっているガザの、生きるための最後の手段だ。 作っても作ってもイスラエルに破壊され、それでも作らざるを得ないトンネルは、石をなげて戦車と戦うしかないパレスチナ人の抵抗と同じ絶望的な抵抗だ。 その行き着く先が自らの命と引き換えに抵抗する自爆テロだ。 それを「貧者の武器」と一言で片づける。 この無神経さこそ、国際社会がいつまでたってもパレスチナ問題を解決出来ない本当の理由である。 そのような言葉を平気で文字にする大治朋子記者は、いくら社命でイスラエルに赴任し、イスラエル寄りの記事を書かざるを得ないことを割り引いても、到底許す事が出来ない。 大治朋子と言う記者の本性見たりである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)