□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年4月29日第350号 ■ ============================================================== 三菱自動車の不正事件があぶりだしたこの国の天下り天国ぶり ============================================================== 私は4月22日のメルマガ第337号で書いた。 三菱自動車の不正を見抜けなかった国交省に責任はないのかと。 私に言われなくとも必ずそう言う声が上がって来る。 それを見越して国交省は素早く手を打った。 5月2日から国が異例の走行試験を実施する。 そう石井啓一国交大臣は、きのう4月28日の閣議後の記者会見で発表した。 しかし、国の試験と言っても何のことはない。 それを行うのは「自動車技術総合機構」という独立行政法人だという(4月29日各紙) それでは今までこの自動車技術総合機構という独立法人は何をしていたと言うのか。 国交省のデタラメ振りについて、きのう4月28日の日刊ゲンダイ(4月29日号)が見事に教えてくれている。 三菱自動車が4半世紀もゴマカしてきた不正を見抜けなかった「オマヌケ天下り法人こそ巨額補償を負担しろ」という見出しのその記事は、要旨こう書いている。 この国で車の燃費試験を独占して来たのは「交通安全環境研究所」なる独立行政法人だ。官僚の天下り先で、2014年度には国交省OBが理事職に収まり、年間1500万円の報酬を得ている。30・8億円に上る年度予算の内9割以上を国の交付金や補助金、要するに国民の税金に頼っているが、試験に必要なデータの測定はメーカーに丸投げ。「どうせアイツらには見抜けっこない」とメーカー側にも見くびられて、不正の温床となっていったのだ・・・ まさしく、私が前回のメルマガで書いたとおりだ。 笑ってしまったのはその後に続く次のくだりだ。 交通安全環境研究所の広報担当が日刊ゲンダイの記者に「ご指摘の通りです」と殊勝に答えたというのだ。 しかし、ここで新たな疑問が出て来た。 今度の事件をきっかけに国が異例の再試験をするのは独立行政法人「自動車技術総合機構」だという。 なぜ交通安全環境研究所に再試験をさせないのか。 役立たずだから別の天下り法人に再試験をさせるというのか。 それではなぜ役立たずの交通安全環境研究所を廃止しないのか。 いったい、いくつの天下り法人を国交省はつくれば気が済むのか。 この国は役人天国だ。 天下り法人をなくすと大見得を切った民主党政権だったが官僚機構の税金泥棒ぶりには指一本手がつけられなかった。 そして自民党政権の復活と共に官僚機構が見事に跋扈し始めた。 この国の前途は暗い(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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