□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年1月18日第53号 ■ ============================================================== イランの勝利と日本の対米従属外交の敗北 ============================================================== きょうのトップニュースは何といっても国際社会の対イラン制裁解除だ。 そして、それは米国のイランに対する敗北であり、中東情勢の激震の始まりである。 思えば1972年のホメイニ革命以降、米国とイランの関係は常に緊張関係にあった。 そしてその関係はこれからも基本的には変わらないにもかかわらず、米国がイランの核を認めたのだ。 米国が、直接の脅威でも何でもない北朝鮮の核にあれほど騒ぐのに、イスラエルを怒らせてまでもイランの核については目を瞑らざるを得なかった。 それは、当面の敵であるイスラム国との戦いにイランを味方につけるしかないからだ。 それは取りも直さずサイジアラビアを切り捨てるということだ。 中東情勢が激変しないはずがない。 しかし、今ここで私が言いたいのはその事ではない。 対イラン経済制裁が解除されることによって、世界はこぞってイランにビジネスチャンスを求めることになる。 そこで思い出すのが日本のアザデガン油田放棄だ。 せっかく手に入れた日の丸油田を米国の圧力であっさり放棄した。 それをすかさず中国が買い取った。 当時アザデガン油田獲得に奔走した日本の企業や通産官僚たちは、さぞかし悔しがっているだろう。 あのとき米国の要求を四の五の言ってはぐらかし、アザデガン油田を保有していたらどうだったか。 経済制裁が解除された今、大手を振って日本はイランの石油を手にしていたはずだ。 米国の気まぐれな政策に追随するしかない日本外交の敗北である。 いまさら「イランの商機に後れをとってはいけない」などと言っているような日本が、生き馬の目を抜くような国際競争に勝てるはずがない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)