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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

慰安婦問題の帰趨が日米韓同盟を脅かすかもしれない
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年1月2日第2号 ■   ==============================================================   慰安婦問題の帰趨が日米韓同盟を脅かすかもしれない  ==============================================================  いまから思えば、まるで正月休みを狙ったかのような12月28日の日韓外相会議だった。  なぜ年末も押し迫った御用納めの日を狙って、あのような電撃発表を行ったのか。  それは日韓合意に自信がなかったからだ。  たとえ反発が起きても、正月休みになだれ込めば沈静化する。  安倍首相らがそう判断したとしてもおかしくはない。  そしてメディアが見事にそれに加担した。  合意発表直後に報じられた韓国世論の反発のニュースが、すっかり日本から消えた。  正月休みで記者も休む。  そしてきょう1月2日は恒例の新年の新聞休刊日だ。  しかし、それだけではないだろう。  あれほど合意を喧伝したNHKが、見事に韓国での反発をニュースから封印している。  明らかに鎮静化を狙っているのだ。  それほど安倍政権にとって誤算だったということだ。  しかし、どんなに封印しようとしても、年明け早々に、この日韓合意は安倍政権を揺さぶるだろう。  いや、安倍政権だけではない。  朴槿恵政権やオバマ政権をも揺るがすだろう。  つっこみどころ満載である。  誰が今度のいかさま合意の主犯だったのか。  韓国側は国民に対する釈明で明言してる。寝耳に水の提案だったと。  この言葉にウソはないだろう。  それでは日本と米国のどちらが主犯か。  米国は言っている。「米国の圧力で両国が歩み寄ったという見方があるが、それは違う」(シーラ・スミス米外交問題評議会上級研究員(12月31日朝日)と。  火消しに必死だ。  たしかにそうかもしれない。  しかし直接手を下さなかったとしても、米国がことあるごとに日韓両政府に関係改善を迫ったのは周知の事実だ。  安倍首相が、その米国の虎の威を借りて韓国に迫ったとすれば主犯は安倍首相となる。  私が驚くのは朴槿恵大統領の対応だ。  これほどの政治決断にも拘わらず、事前に元慰安婦側に伝えなかった事については書いた。  しかも反発をなだめるために自ら元慰安婦側に出向かなかった。  それだけではない。  国民に対する記者会見ひとつ開かず、談話の発表で済ませている。  しかも、最善を尽くした、反対派が主張する様な合意を日本から引き出すのは容易ではない、被害者たちの残り少ない人生を考えれば、これが最善だ、などという、考えられない釈明一色だ。  問われるのは韓国国民だ。  これで元慰安婦側や韓国世論が収まるなら、これまでの慰安婦問題は何だったのか、ということになる。  韓国は日米に負けたということだ。  一方の安倍首相側も大きな間違いをおかした。  当初1億円ほどの予定で会った公的支援を、韓国側の要求を受けて、自らの判断で10億円に増額したという。  しかし、その資金は、少女像が撤去されなければ払わないという。  これほど傲慢で韓国を馬鹿にした話はない。  わずか10億円のカネで未来永劫に慰安婦問題を忘れろと言っているに等しい。  元慰安婦ならずとも激怒するだろう。  しかし安倍首相にはそう言わざるを得ない国内的理由がある。  少女像撤去が出来なければ右翼が怒り出す。  安倍首相は、もはや今度の合意から一歩も譲歩できないのだ。  日韓双方の世論と、その世論に縛られる朴大統領と安倍首相は、新年早々苦しい立場に置かれる。  そして、両国国民の怒りの矛先は、かならず日韓の後ろに控えている米国に向かうだろう。  もともと米国は他国の国民の民意など無視する国だ。  民意が読めないから、どの国でも反米感情が起きて失敗する。  今回の慰安婦問題についても、つまるところは自らの国益(軍事同盟)を優先するあまりの韓国民意の軽視だ。  そしてそれは見事に辺野古移設に見せる沖縄住民無視と一致する。  こう考えて行くと、昨年12月28日に発表された日韓合意は、これを無理に押し通そうとすれば大問題に発展しかねない。  だからと言って再交渉は出来ない。  そんなことをすれば、ますます問題解決が困難になる。  日米韓参加国の軍事同盟関係を強化するために解決しようとした慰安婦問題であったが、その慰安婦問題解決が、日米韓参加国の同盟関係を脅かすことになるかもしれない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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