□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年11月27日第970号 ■ ============================================================ テロ問題を評論する日本の「識者たち」を評論する ============================================================= パリ同時多発テロ以来、イスラム国のテロにどう対応するかという評論が花盛りだ。 海外のイスラム評論、特にテロに詳しい専門家の評論は傾聴に値するものが多いが、日本のメディアに頻繁に登場する「識者たち」の評論は、何も知らない日本国民を惑わすものばかりだ。 中でも、もっとも頻繁にメディアに登場するもてはやされている「識者」たちの評論は、日本国民に間違った考えたり、ガス抜きをしたりするという意味で、有害ですらある。 何といってもその雄は佐藤優だろう。 発売中の週刊文春12月3日号で、ISは近い将来核を持つ!と「緊急警告」している。 それは間違っていないだけに始末が悪い。 確かに核兵器は究極の兵器だ。 欧米が当たり前のようにシリア空爆を繰り返しているが、なぜそれが放置されるのか。 それは、どんなに残虐な空爆でも、核兵器ではないからだ。 もし核兵器による空爆なら許されるはずがない。 核兵器を使った国はその瞬間に歴史に断罪される。 それは世界を破滅させ、人類を消滅させる行為であるからだ。 ところが、それをなんのためらいもなく使うおそれのある唯一の存在がある。 それがISであり、ISに象徴される「テロ」だ。 その「テロ」を誰よりもおそれ、それゆえに誰よりもその危険性を煽るのがイスラエルだ。 佐藤優の警告はまさしくイスラエルの警告である。 伊勢崎賢治がきょう11月27日の朝日新聞「耕論」で書いている。 テロリストはすぐには解決出来ないと。そこまでは正しい。 しかし、私が驚いたのは彼の言う日本の貢献策だ。 今後、日本がやるべきことは民主的な国づくりに積極的に関わることであり、それしかない、とまで言っている。 これは一見すれば正しい事のように聞こえるが、傲慢の極みである。 そんな事はどの国もできない事であり、やってはいけないことだ。 ましてや中東で日本がやることでは断じてない。 安倍首相を批判する側に立つと見なされている伊勢崎が、安倍首相と同じ事を言っているのだ。 そういえば伊勢崎は憲法9条の「正しい改憲論」の賛同者の一人だ。 私が伊勢崎の言説のすべてにもろ手をあげて賛成しない理由がここにある。 池上彰がきょう11月27日の朝日新聞の「新聞ななめ読み」でわかったようなことを書いている。 しかし、いつものことだが、そこで池上が書いている事は、様々な識者の意見の紹介・解説でしかない。 そこまではいい。私もよくやることだ。 しかし、池上氏は決して自分の意見を明らかにしない。 だからこそ、あらゆる方面から重宝されるのだ。 権力側にとってこれ以上都合のいい評論家はいないだろう。 宮家邦彦がきのう11月26日の産経新聞「オピニオン」欄で書いている。 残念ながらイスラム過激テロは進化しつつあると。 その能力を欧州は過小評価したようだと。 空爆だけで雌雄を決した戦争などなく、最後はイスラク国地上部隊を投入するしかないが、欧米はもちろんロシアでさえ地上戦は望まないだろうと。 もと外務省アラビストとしての当然の評論だ。 そして彼は言う。 長期的にイスラク国の様なテロ集団を根絶するには、まともな中央政府と正規軍の再構築するしかないが主要国の足並みはそろっていない。これこそが日本が貢献できる分野だが、日本の貢献には限界があることだけは確かだと。 ここまで分かっているのに、宮家は安倍政権を支え続ける役回りに忙しい。 谷内正太郎国家安全保障局長や斎木昭隆外務次官と同様に、自らを殺して保身を優先する外務官僚の姿がそこにある。 彼らこそ外務省組織を壊した責任者たちである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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