□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年10月5日第819号 ■ ============================================================= 米国との曖昧な軍事同盟ほど危険で無責任なものはない ============================================================= きょう10月5日の朝日新聞が大きなスクープ記事を書いた。 すなわち米韓両軍が、朝鮮半島有事の際の軍事計画を、これまで想定して来た大規模な地上作戦から、ゲリラ戦、局地戦に力点を置くあらたな作戦に方針転換をしたという記事だ。 これを要するに、通常兵力の低下した北朝鮮軍が暗殺や破壊活動、大量破壊兵器の開発に力を入れる現実に合わせたものだという。 戦線を拡大せず、犠牲者と戦費を少なくし、効率的に金正恩体制を倒すためだという。 私がその記事で驚いたのは、このような作戦を国連安保理決議なしで行うとされているところだ。 いよいよ北朝鮮の金正恩転覆作戦を本格化するというわけだ。 しかし、この記事で本当に驚かされることは、日本がそのような米韓両軍の作戦変更について何も知らされていないと書かれているところである。 その根拠として韓国軍と自衛隊には軍事情報を共有する協定がなく日本は韓国軍の同意なしに情報を得られないと書かれている。 これは一見もっともらしいが正しくない。 日本は日米同盟を最優先している国だ。 日米間の軍事協力が盤石であれば米軍を通じてあらゆる情報が得られるはずであり、またそうでなければおかしい。 この朝日新聞のスクープ記事が教えてくれている事は、日米同盟関係そのものが不完全で曖昧であるということだ。 だからこそ日本は米国から信用されず、十分な情報を得られず、後方支援と言う名の二次的役割で終わるのだ。 そのくせに多大な財政負担をさせられ、有事の際にはその犠牲を等しく共有させられる。 こんな馬鹿らしいことはない。 それもこれも日米同盟が曖昧で不完全だからだ。 そしてその責任は日本の政治にある。 すなわち安倍自民党の日米同盟は対米従属に走る一方で、憲法9条の範囲内である、戦争はしない、とごまかし続ける。 それを批判し安保法案を廃案にするという民主党は、日米同盟重視を繰り返す。 どちらも壮大な自己矛盾だ。 どうすればいいのか。 日米同盟を進めて日本も米国と対等な軍事協力国となる。そのかわり危険も犠牲も分担する。 どうではなく、日米同盟から決別し、憲法9条の下で戦争の危険性と犠牲を回避する。 どちらが日本の取るべき政治選択であるか。 もはや国民の前で堂々と議論して、国民にも責任を迫る時が来ているのだ。 おりからシリアやアフガンでロシアや米国の軍事行動が平和と人道に反する事が明らかになっている。 憲法9条の日本が正しい選択である事は誰も否定できない。 曖昧な日米同盟にしがみつく安倍自民党も岡田民主党も、同じ穴のむじなだ。 日本を救う事は出来ない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)