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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

安倍首相に赤恥をかかせたNHK
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年5月18日第367号 ■   ============================================================== 安倍首相に赤恥をかかせたNHK  ==============================================================  安倍首相が5月15日の夜6時から、自らの言葉で集団的自衛権行使容認の「歴史的」決意表明を行って以来、これから毎日のように、集団的自衛権行使容認の是非について無意味な議論がメディアで繰り返されるだろう。  しかし、そこには安倍首相の姿は二度とあらわれないだろう。  本人は出たくても出られない。まわりが止める。  かくて集団的自衛権の行使容認問題は安倍首相の手を離れ、その賛否をめぐり、憲法や外交・安全保障政策の、それぞれ対立する立場の専門家の間によって、堂々巡りの議論が繰り返され、その結果、国民の間で認識が深まり、集団的自衛権行使容認を急ぐのはやはりおかしい、ということになる。  そういう展開を、私はこのNHKスペシャルをみて確信した。  それはどういう事か。    安倍首相のバカさ加減が満天にさらされたからだ。  「集団的自衛権行使容認を解釈改憲します!」 と、オボチャンみたいに宣言したが、実はまったく何もわかっていない事がばれたのだ。  おばちゃん、おじちゃん、子供たちを救えなくていいんですか、とひとつ覚えのように繰り返すしか能がなく、集団的自衛権行使容認の本質の理解も覚悟もない安倍首相は、それに反対する学者・専門家からはもとより、集団的自衛権の行使容認を主張する学者・専門家からさえも、安倍は何もわかっていない、とさじを投げられた。  こんな安倍の下で集団的自衛権行使容認の是非を議論させられては、議論が台無しになり、集団的自衛権行使容認が未来永劫できなくなる、と思われたのだ。  それを見事に見せてくれたのが、冒頭で指摘した、5月16日夜10時からNHKで生放送されたNHKスペシャル「集団的自衛権を問う」であった。  この特集番組は、5月15日の夕に行われた安倍首相の記者会見のあとに、おそらく最初に流された本格的でまともな討論番組であった。  そこには賛成側に安倍首相の援護役を一手に背負ったとぼけた顔の磯崎という政治家と、実質上安保懇の報告書をとりまとめた北岡という政治学者が座り、反対側に、柳沢元防衛官僚で内閣官房副長官補を経験した柳沢と、解釈改憲反対の立場をとる上野という政治学者が座って、籾井会長のNHKにしては珍しく公平な司会者の下で落ち着いた議論が展開された。  もちろん三百代言に長けた集団的自衛権行使容認賛成派の北岡と、反対派の柳沢や上野との議論は深まらず、平行線を辿って終わった。  しかし、それは突き詰めれば憲法9条で認められなかった集団的自衛権の行使容認を認めて、日本も米国と一緒に戦えるようになるべきだ、そうしないと今後の国際情勢の下では日本は守れない、という考え方と、日本をそういう国にしてはいけない、そうしなくても日本を守ることができる、という考えの根本的、信条的立場の違いであるからやむをえない。  重要な事は集団的自衛権行使容認の本質は、それが戦争を覚悟して、自衛隊員に犠牲を強いることになるという認識だ。  それは賛成派、反対派の立場を超えてまともなものなら共有する。  だからこそ、最後は、正しい手続きを踏んで国民の手で憲法9条を変えるかどうか決める問題であるのだ。  この点も立場を超えた一致している。  北岡はもちろんそれをごまかし、柳沢も上野もそれをはっきり口にしなかったが、必死でそのことを訴えて、北岡もそれを受け止めていた。  ひとり磯崎だけが安倍の養護をして浮いていた。  要するに、集団的自衛権行使容認は、その言葉の本質において戦争を仕掛けることであり、戦争をしかけられた国は、勝つまで必死に戦う。  こっちがやめたくてもやめられないのだ。  限定的に自衛権を行使する。などということは、自己矛盾であり、国内政治の無意味な議論なのである。  それなのに安倍首相は記者会見で「戦争はしません、集団的自衛権は限定的にしか使いませんから安心してください」といい、磯崎はわかりやすく説明したと弁護する。  原発事故はコントロールされていると世界にウソを言った首相がトラスト・ミーと言って誰が信用するというのか。  安倍では集団的自衛権行使容認の議論は出来ない。  深まらない。  ということは集団的自衛権行使容認の議論は終わりだということだ。  そして安倍首相は追い込まれるということだ。  政局になる。  そして、受け皿がなくても、安倍以外なら誰でもいい、となる。  面白くなってきた。(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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