□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年4月28日第349号 ■ ========================================================= TPP大筋合意の有無を確かめようとしないメディアの敗北 ======================================================== きょう4月28日の毎日新聞「風知草」で山田孝男氏が「ヤブの中の合意」と題して要旨次のように書いている。 今度の日米首脳会談でTPP大筋合意はあったのか、なかったのか、報道が分かれた。すなわちほとんどの報道が「合意せず」と報じたのに対し、読売だけが「実質合意」と報じ際立った。これについて日米両政府とも明確な説明を避けており真相はヤブの中である、と。 そう書いた上で山田氏はフリージャーナリストである佐々木実氏の「きちんとした軸がないと、いくら取材しても、ものは見えてこない」という言葉を引用し、「ヤブの中の真実は時間の経過とともに明るみに出るだろう。だが、露見したところでそれをどう見るかの視点が定まらぬ限り、いいとも悪いとも判定しようがない。巨大で複雑な問題は特にそうだ」と続けている。 これは逃げだ。 ごまかしだ。 TPP交渉は今度のオバマ訪日の最大のテーマであった。 そしてTPP交渉の合意の有無は日本の国民生活に多大の影響を与える大問題だ。 山田氏も自ら認めているように、TPPを「参加国が互いに経済成長を高め合う夢と希望のサロン」と見るか、「アメリカのグローバル企業だけが潤う危険なワナ」と見るかで国内の意見が真っ二つに分かれている大問題だ。 そうである以上、合意があったか、なかったか、を突き止めて、それを国民の前に提示する事こそメディアの使命、責任ではないのか。 しかもこれについては「密約がなされていた」というTBSの報道まであった。 それも結局ウヤムヤに終わった。 読売新聞だけが「実質合意」と一面トップで書いた、などと他人事のように言っている場合ではない。 いまこそメディアはあらゆる取材を駆使して真実に迫る時ではないのか。 それが出来ないまま真相は「ヤブの中」と言っているのは、メディアの怠慢だ。 それとも「密約」を知っていながらそれを報じないのなら政府に都合の悪い事は書かないという御用メディアに成り下がっている証拠だ。 いずれにしてもメディアの敗北である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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