□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年4月27日第345号 ■ ========================================================= これで安倍政権は拉致問題の解決は出来なくなった ======================================================== オバマ大統領は日本を去って韓国に行ったとたん、慰安婦問題と北朝鮮問題で安倍政権にとって衝撃的で決定的な言動をとった。 すなわち慰安婦問題について、甚だしい人権侵害であり元慰安婦の声に耳を傾けるべき考えを強調した。 そして北朝鮮に対し核実験を許さないと言った。米韓連合軍司令部を訪れて北朝鮮の挑発には武力行使もためらわないとまで言った。 いずれも安倍首相の今後の対北朝鮮外交に強い制約を課すものであるが、特に北朝鮮の核に関する発言が日本の拉致問題に与える影響は決定的だ。 私が注目したのは北朝鮮が核実験を強行した場合制裁を強化する事でオバマ大統領が朴大統領と合意したことだ。そして日米韓の三カ国で連携して対処する方針を確認したことだ(4月26日産経)。 こうなればさすがの安倍首相も米韓と連携せざるを得ないだろう。 それを裏付けるかのように4月26日の産経新聞は複数の政府関係者が明らかにしたとして、次のように書いた。 すなわち日本政府は4月25日、北朝鮮が核実験をした場合、3月末に再開した外 務省局長級の政府間交渉協議を無期延期し、あらたな経済制裁を行う方針を固めたと。 安倍政権は北朝鮮がミサイルを発射した3月末の時点でも、北朝鮮との外務省局長級協議を予定通り開き拉致問題の協議を続けた。 オバマ大統領の訪日時には安倍首相は拉致被害者家族をわざわざオバマ大統領に面会させその場に同席した。 しかし、北朝鮮が核実験を行うとなるとすべてが吹っ飛ぶことになる。 北朝鮮の最優先課題はみずからの安全保障について米国から確約を取り付けることである。 そのためには北朝鮮は核開発を止めない。 核実験を繰り返す可能性は常にある。 挑発を繰り返し米国との駆け引きが続く。 北朝鮮の挑発に対する日米韓三カ国の同盟強化はますます強くなる。 これを要するにもはや安倍政権の下では拉致問題は解決できなくなったということだ。 拉致問題に関する日本の対北朝鮮外交は最初からその戦略が間違っていたということだ。 すなわち我が国の対北朝鮮外交は、北朝鮮との講和交渉ととらえ、六か国協議よりも日本と北朝鮮との二国間協議をより重視して行うべきであったのだ。 講和交渉である二国間協議と、北朝鮮の核・ミサイルをめぐる六か国協議は、決して矛盾しない、両立させられる、その事を米国や韓国に理解させる努力をはじめから行うべきだったのである (了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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