□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年2月27日第195号 ■ ========================================================= 小松内閣法制局長官の豹変の裏にあるもの ========================================================= 小松内閣法制局長官が病身をおして約一か月ぶりに国会答弁の場に立った。 おりから集団的自衛権行使容認に関する解釈改憲をめぐって議論が過熱している。 小松内閣法制局長官の答弁に関心が集まるのは当然だ。 その答弁ぶり(26日の衆院予算委員会分科会)をきょう2月27日の各紙が一斉に報じている。 その記事を読んで私は驚いた。 「(解釈)変更が許されないものではない」という見解を示したという。 「最終的には私の責任で判断する」とまで述べたという。 病気で入院する前の答弁とは様変わりだ。 あの時は、内閣が決めるものだと答弁していた。 政府の判断の邪魔をしないという立場に徹していた。 小松内閣法制局に何が起きたのか。 そう思っていたら2月27日の日刊ゲンダイに次のような記事を見つけた。 すなわち末期ガンを知った小松氏は菅官房長官が後任人事に着手したことを知って「自分の手で憲法解釈の変更をしたい」と安倍首相に直訴し、これに安倍首相が胸を打たれた、というのだ。 おりから安倍首相は解釈改憲は自分が行うと傲慢発言をして批判の矢面に立たされている。 それを見た小松内閣法制局長官は、命と引き換えに自ら解釈改憲の判断を自ら下しての批判の身代わりをし、安倍首相の悲願に報おうと覚悟したということではないのか。 命と引き換えに下す判断が、国家と国民の為に正しいものであれば、この日刊ゲンダイのエピソードは美談になるのかもしれない。 しかしどう考えても解釈改憲は誤りだ。 国の行く先を見誤る。 そのような間違った判断に命をかけるとすれば、やはりそれは内閣法制局長官という名誉あるポストに任命してくれた安倍首相に対する恩返しでしかないと受け止められても仕方がない。 なんともやりきれない思いだ。 もしこの日刊ゲンダイの記事が本当なら、安倍首相も罪作りな人である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)