□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年2月8日第129号 ■ ========================================================= 敗戦直後のベストセラー「旋風20年」が教えてくれる事 =========================================================== またひとつ、保阪正康氏から教えてもらった。 きょう2月8日の毎日新聞に連載されている「昭和史のかたち」で、戦後最初のベストセラーになった本の一つに、森正蔵著の「旋風20年」(鱒書房)というのがあったという。 この本は毎日新聞の社会部長であった森氏が当時の記者たちと分担して昭和という時代に伏せられていた史実を忠実な叙述によって明らかにした本である。 読者は、国民が政治・軍事指導者から何一つ事実を知らされていなかった事に愕然としたと言う。 保阪氏は、「戦時下の昭和はいわば言論弾圧の時代と言える。この間に抑圧されていた関心事がベストセラーを生んだ」とした上で、この本が提起する二つの重要な事を指摘する。 ひとつは、戦後からわずか3か月ほどで新聞記者がこうした書をかけるということは、彼らは権力者が隠している事実、そしてその方向がどのような暴力性を持つかを知っていたのだ、と。 それを書けないもどかしさから解き放たれて一気に真実を明かしたのである、と。 ふたつは、読者(国民)が常に事実を知りたがっているということである、と。 権力者が一方的に事実を隠ぺいすることが続くと、自らの知る権利が無力化されていき、真実を知りたいという欲求が表出する、その結果がベストセラーを生み出したのだ、と。 あらゆる事実が公開される事によって、国民は自らの意見を持つことができるという当たり前の図式がここから読み取れると。 折からNHK会長や経営委員のむき出しの暴言が立て続けに表出した。 この保阪氏の記事は、自らに都合の良い情報を流そうとするいまの安倍政権とそれに追従するNHKをはじめとして大手メディアに対するこの上ない批判である。 それにしてもこの「旋風20年」という敗戦直後のベストセラーをどこかが復刻してくれないものだろうか。 再びベストセラーになること間違いない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)