□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年1月18日第56号 ■ ========================================================= 英国に次いで米国でも始まった日本大使の中国批判 =========================================================== 佐々江賢一駐米大使が16日の米紙ワシントンポストに寄稿し中国の駐米大使が靖国批判をしたことに反論したという。 米国でも批判合戦が始まるということだ。 そしてこの批判合戦は終わらない。 なぜならば批判合戦をしろというのが安倍首相の方針であるからだ。 靖国参拝に対する中国や韓国の批判はあたらない。 自分の考えを説明すればそれが正しいことがわかる。 これまで日本は十分に説明してこなかった。外交努力が足りなかった。こんどこそどんどんと日本の立場を発信せよ。 これが安倍首相の方針であり、外務省はそんな安倍首相の命令に逆らえない。 そして安倍首相におもねる御用メディアや解説者もまたそれが正しいと主張している。 日本の説明不足が中国や韓国の批判をつけあがらせた。 日本は言うべき時は言わなければいけないなどと煽っている。 しかしこれは安倍首相の自殺行為だ。 批判合戦をすればするほど日本大使の説明能力のなさが世界にさらされる事になる。 これは英国で証明されたばかりだ。 英国以上に米国のテレビ討論は激しく、厳しい。 テレビが世論に与える影響も米国でははるかに大きい。 米国のテレビでも同様の議論が行われると日本はますます不利になる。 しかし私が安倍首相の自殺行為だというのは説明能不足が理由ではない。 米国国内で日本と中国の批判合戦が行われる。 これこそまさしくオバマ政権が最も見たくないことだ。 安倍自民党政権に繰り返し伝えてきた、中国との関係改善要求に対する挑戦である。 安倍首相の靖国参拝で米国が「失望」したのは、それが米国の度重なる警告を無視した同盟国の裏切り行為であったからだ。 今頃になって日経新聞は書いている(1月18日日経)。 あの「失望」はオバマ大統領の最大の後見役であるバイデン副大統領の顔に泥を塗った安倍首相に対する怒りだったと。 こんなことは初めからわかっていたことだ。 そして安倍首相はまたしても米国の警告に反することをやっている。 米国を舞台にしてまで日本は中国と喧嘩をはじめる。 潜在的なライバルでさる中国がいう事を聞かないのは仕方がない。 しかし何でもいう事を聞くはずの「同盟国」であるはずの日本が、ここまで米国のいう事を聞こうとしない。 安倍は米国にさえも本気で喧嘩を売ろうとしているのか。 オバマ政権がこう思っても不思議ではない。 制御できないまでに暴走を始めたと米国に思われたら安倍首相は終わりである。 その方向にどんどんと突き進んでいるようだ(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)