□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年12月30日第994号 ■ ========================================================= 安倍首相ひとりを悪者にすればすべてがまるくおさまる =========================================================== その後も安倍首相の靖国参拝に対する国際批判が止まない。 シンガポールが批判声明を出し、あの北朝鮮までもが軍国主義の再来だと批判した。 北朝鮮にまで批判されるようではおしまいだ。 いよいよ米国は安倍首相に見切りをつけるような予感がする。 そう思っていたら中国が米国に先駆けて見事な戦略を描いている事がわかった。 きょう12月30日の朝日新聞が書いている。 中国は今度の安倍首相の靖国参拝を「日本人民の根本的利益を損なう危険な道に日本を引きずり込むもの」と位置付け、国内外に向けて安倍首相個人への批判を強めているというのだ。 これはあたかもかつて周恩来首相ら中国要人が、悪いのは日本の軍国主義者たちであって、日本国民もまたその犠牲者だ、といって賠償を求めなかったあの時の中国の対応と同じだ。 中国は、今度の安倍首相の靖国参拝に対し、米国も含め国際的な批判が広がっていることを冷静に見極めている。 今度の安倍首相の靖国参拝に対し中国で激しいデモが起きないのも、下手にそれを許して日本国民の反発を招くより、日本国民が安倍首相の誤りに気づくことを期待するからだ。 それは周到に練られた中国の戦略である。 しかし、同時にそれは合理的で正しい対応なのである。 米国と中国の利害は、その思惑の違いにもかかわらず、見事に一致したというわけだ。 すなわち米国は日米同盟の維持の為に、中国は日本との経済関係強化の為に、日本との関係をこれからも重視していきたい。 だから日本や日本国民との関係を損ないたくない。 そのためには日本の首相にはもっと賢明な首相になってもらいたいということだ。 いくらそれを言っても安倍首相には通じなかった。 我慢してきたが、ことここに至ってはいくら安倍首相に教えてもだめだということがわかった。 だったら安倍首相個人の問題として、つまり批判を日本や日本国民ではなく安倍首相一人に集中させ、安倍首相に責任をとらせたほうが得策だと米国も中国も考え始めたということだ。 それが偶然なのか、示し合わせた上での対応なのか、それはわからない。 しかし安倍個人批判では見事に一致する。 こうなればもはや安倍首相は、よほど政策を転換しない限りはもたないだろう。 そして方向展開をするということは、来年度から始めようとしている国家主義的な一連の安倍外交・安保政策を否定することになる。 安倍首相が誰よりも大切にする右翼支持者の失望を招くことになる。 まともな指導者ならば、自らを殺してまでも国や国民を優先するだろう。 しかし安倍首相の場合はそこで苦悩する。 そして苦悩したあげく答えを見つけられずに病気になって首相の職を投げ出す。 我々は急がなければいけない。 米国や中国が安倍首相を追い込む前に、我々国民の手で安倍首相を辞めさせなければいけない。 我々まともな日本国民は、安倍首相の今回の靖国参拝を決して認めてはいない事をはやく世界に示さなければならない。 安倍首相ひとりを悪者にすればすべてはまるくおさまるのではないか。 正月休みの格好のテーマができたということだ(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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