□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年12月1日第906号 ■ ============================================================= 「発動されていた日米安保事前協議」というスクープ記事の衝撃 ============================================================ 日米同盟の矛盾がここへきて一気に噴出し、その矛盾の産物である秘密保護法が強行採決されようとしている今、これほどタイムリーなスクープ記事はない。 それはきょう12月1日の日経が一面トップで書いた「日米安保の事前協議が発動されていた」と言う衝撃的な記事だ。 しかも米国の無理な要求を拒否するという方向ではなく、米国の命令に従うという方向で。 いうまでもなく事前協議とは、核持込など日本の安全保障に関わる重大な事項については米国が事前に日本側に協議をし、日本側がこれを認める場合にのみ可能になるとされている日米合意のことである。 これまで米国からそのような事前協議が提起されてこなかった。だから核持込はない、と言うのが政府の公式見解であった。 ところが1960年の日米安保条約改定時に、朝鮮半島有事の際に日本国内の米軍基地使用を認める取り決めをしていたというのだ。 事前協議制度を初めて活用して、そのような日米合意をしていた外交文書が見つかったというのだ。 日経新聞のその記事は書いている。 「2010年に鳩山政権で公表された日米密約問題に関する有識者の報告書とは異なる事実を示す資料になる」と。 私がこの日経新聞の記事で一番驚いたのは、その新事実を見つけた学者が、当時の「密約に関する有識者委員会」のメンバーの一人だった坂元一哉大阪大学教授だというところだ。 日経の記事は坂元教授が「事実を再検証して確認した」と書いているが、有識者のメンバーの一人であった坂元氏がこのような情報に接することが出来たのは、他の者には手に入らない外交文書にメンバーの特権として接する事が出来たからである。 従ってこの新事実は、メディアに流す前に当時の有識者委員会のメンバーや座長の北岡伸一氏に伝えて、その時の報告書をもう一度見直すことを進言すべきが筋だろう。 しかも坂元氏は名うての日米軍事同盟強化論者である。 その日経新聞は坂元教授の言葉を引用して次のように書いている。 「坂元氏は『事前協議をより柔軟で実効性のあるものに出来れば・・・即応能力の向上につながる』と指摘する。日米同盟はアジア・太平洋地域の安定のため重要性を増している。協議の枠組みをできる限り明確にし、透明性を高める対応が求められそうだ」 すなわち日米密約を問題視することなく、その新事実を逆手にとって、これからは堂々と日米軍事協力ができるようにすべきだと言っているのである。 いま日本に護憲派の国会議員が存在するというのならこのスクープ記事を見逃すことは出来ないはずだ。 あの時の有識者会議のデタラメ振りを追及し、もういちど日米密約の全貌を再調査することを求めるべきだ。 特定秘密保護法案が成立した後ではすべてが封印されてしまうことになる。 しかしそのような国会議員はもはや一人もオ出て来ないだろう。 それを見越しての坂元教授と日経新聞の開き直りである。 この国はどんどんと憲法9条を無視する国に向かっている(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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