□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年11月14日第851号 ■ ============================================================= 安倍自民党政権によって無力化されつつある原子力規制委員会 ============================================================ 野田民主党政権の手で2012年9月に原子力規制委員会がつくられた時は、間違いなく原子力規制委員会はこの国の原発を安全性の面から厳しく監督する事を期待されて作られたと思う。 その前身であった「原子力安全・保安院」が原発を推進する資源エネルギー庁(経済産業省の外局)の機関だったため、アクセルを踏みながらブレーキをかける矛盾を批判され、その反省に立って原発を規制する目的でつくられたはずだ。 民主党政権が官僚に負けた時点で、そして原子力規制委員会が環境庁という三流官庁の外局になった時点で、私はその先行きは暗いと思ったが、それでも当初は期待もした。 原発ムラ出身の田中氏の原子力規制委員長任命には批判の声もあったが、その批判を背に原発再稼動に慎重な姿勢をとり続けた田中委員長はよく頑張っていると思った。 しかし安倍自民党政権になって以来、どんどんと田中原子力規制委員会が骨抜きになり、もはや安倍政権に逆らえなくなりつつある。 私はそんな田中原子力規制委員会を批判するつもりはない。 原子力委員会を骨抜きにしようとした安倍政権の卑劣さこそ批判さるべきなのだ。 安倍自民党政権になって茂木経済産業大臣の下で経済産業省の官僚たちが原子力規制委員会を骨抜きにしようとしている。 あらゆる動きがそれを証明しているが、その象徴的な動きを最近の報道で見つけたので紹介したい。 それは11月6日の日経新聞に掲載されていたワシントン発吉野直也記者の記事である。 日米両政府は11月4日、ワシントンで原子力安全に関する委員会を開き、原子力発電所の事故リスクを評価する統一基準をつくることで合意したという。 具体的には専門家会合の新設を含めて、5年後を目標に安全に関する統一基準作りやデータの共有を行なうという。 そういえば聞こえはいいが、日経新聞はこう書いている。 「津波、地震、火災など原発事故リスクの評価では米国が先行している。日本がその方法や分析を採り入れる形で、日米共通基準で対応力の向上を目指す」と。 何の事は無い。米国のルールに日本が従うということだ。 私が注目したのは、この会合の日本側出席者とそこで話し合われた内容である。 日本側は中西宏典資源エネルギー庁審議官、杉山晋輔外務省審議官が代表して出席している。 つまり日本の原発政策を決める経済産業省の官僚と対米従属の外務省の官僚だ。 そしてその官僚たちが、原発の事故リスク評価の統一基準を決める専門家会合を提案し、米側がそれを受け入れるという形で新組織が作られることになった。 おどろくべきはその新組織のメンバーだ。 米側からはエネルギー省や原子力規制委員会(NRC)原子力エネルギー協会(NEI)などが加わるが、日本側からは資源エネルギー庁とそれが選ぶと思われる有識者だという。 そこには日本の原子力規制委員会の名前は無い。 そう思っていたら付け足しのように日経新聞のその記事は書いている。 「日本の原子力規制委員会にも参加を呼びかける」と。 ふざけた話だ。 参加したければ入れてやる、という経済産業省の発想である。 もはや日本の原発政策は原発推進の経済産業省と対米従属の外務省によってすすめられている。 小泉元首相がいくら脱原発を叫んでも冷笑しているに違いない。 権力を手放したとたん、あれほどのやりたい放題をした小泉元首相もただの人だ。 それを一番知っているのは小泉元首相自身である。 あの脱原発記者会見の小泉元首相の言葉は、その事を見事に物語っているのである。 絶対的権限を握った安倍首相は何でも出来るという意味は、そういう事なのである(了) ─────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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