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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

今回の中国の自爆事件は中国の9・11だ
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2013年11月6日第833号 ■   =============================================================   今回の中国の自爆事件は中国の9・11だ  =============================================================  これは私の言葉ではない。  発売中の週刊朝日11月15日号の記事に紹介されている中国の少数民族問題に詳しい楊海英(ヤンハイイン)という静岡大学教授の言葉である。  しかし「中国の9・11」とはまさしく言い得て妙だ。  私がそう思うのは、要旨次のような楊教授の解説に賛同するからだけではない。  中国ではウイグルやチベット、モンゴル人などの少数民族の暴動はあったがいずれも辺境で暴れているイメージだった。それが今度は、首都北京の、しかも毛沢東の肖像がある天安門で起きた。これから不安定な状況が拡大していく可能性はある。中国当局は軍を動員して弾圧を強化し、当面は力による封じ込めはうまくいくだろう。しかしそれでは根本的な解決にはならない。少数民族への抑圧が続く限りテロの根を絶つことはできない。状況が改善されるためには中国が他者に対してどこまで寛容になっていくかにかかっている。  まっとうな意見だ。  しかし私が今度の事件は「中国の9・11だ」と言った楊教授に強く共感を覚えるもう一つの大きな理由がある。  それは今度の事件が、真相が決して明らかにされないまま様々な憶測が流され、それがそのまま情報戦争につながる国際政治そのものであるからだ。  9・11が起きた時、あれは米国の陰謀だとする憶測が盛んに流された。  私はその可能性は十分にあると思っているが、それを本気で追及する気にはなれなかった。  なぜならば、たとえそうであってもそれを米国が認めるわけはないし、その一方で陰謀だと決めつける側にも様々な思惑が絡んでいるからだ。  そういう意味で今度の中国の天安門広場前の自動車事故はまさしく中国版の9・11なのである。  中国は、あの時の米国のように、いち早くそれがウィグル族のテロだと発表してテロは許さないと強硬姿勢を見せた。  これに対し中国を批判する立場の者は、中国の発表に疑問を投げかけ、自作自演説さえ唱え、これを中国の更なるウィグル族弾圧の口実にさせてはならないと批判する。  これに対し中国は猛反発し、世界は「テロ」と戦っているのではなかったのか。テロを許さないというのは中国の一貫した方針だ、と強硬姿勢を崩さない。  私は9・11と違って、今度の中国の自爆事件は、たとえその背後に国際テロ組織のかかわりがなかったとしても抑圧されたウィグル人の自爆テロであり、9・11の時のような陰謀説がでる余地はないと思っているが、その真相はもちろんわからない。  しかし、一つだけはっきりしている事は米国が「テロとの戦い」を世界に訴えて「テロとの戦い」を続けている限り、誰も中国の「テロとの戦い」を批判できないという事だ。  その意味で、中国嫌いの産経や読売が中国を嘘つき呼ばわりして批判するのはわかるとしても、きょう11月5日の東京、朝日までもが中国の主張を疑う憶測を記事にしていうるのはひっかかる。  興味深いのは米国の反応だ。  さすがに中国の発表がウソだと断定しないが、中国の発表を鵜呑みにせずに独自に情報を集めて判断する、とけん制している。  しかし米国は決して中国の情報操作だと断言しないだろう。これは「テロとの戦い」ではないと断言しないだろう。  もし米国がそう言えば、中国はたちどころに米国の「テロとの戦い」を批判して米国の敵である「テロ」の支援に回るだろう。  誰が、どのような立場から、どのように今度の事件の背景を憶測して主張してみても真相はわからないままで終る。  シリアの化学兵器使用がアサド側の仕業か、それとも反アサド側の工作かで意見が分かれるように、最後は不明のまま放置されて終るのである。  「戦争で真っ先に犠牲になるのは真実だ」の箴言の通り、戦いに勝つためには、あらゆるウソや工作が飛び交って国際世論を味方につけようとする。  私はそれを中東のレバノンで目撃してきた。  工作は、それがあり得ないと思わせる形で行なわれるのが、本物の工作なのだ。  そのためには自国民を犠牲にすることもいとわない。  このような大国間の情報戦争と、そのいずれかに加担する者やメディアの情報操作の応酬は、スパイ映画なら許せても、現実の国際政治でそれが行なわれる事に私は冷淡だ。  その裏で常に見捨てられるのが弱者である。  中国の場合は少数民族であり、中東ではパレスチナでありシリアの国民だ。  はっきりしていることが一つだけある。  なぜ自爆テロが起きるのか。  それは米国、ロシア、中国、イスラエルといった覇権国家が非対称な軍事力、警察力を使って弱者を弾圧、抑圧するからだ。  強者がその誤りをたださない限り「テロ」は終らない。  世界に平和はこない。  今度の中国の自動車爆破事件が教えてくれた事はまさしくその事である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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