□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年10月23日第787号 ■ ============================================================= 日本国民と世界を欺く日本の核不使用共同声明への参加 ============================================================= しつこいようだが最後にもう一度だけ書いておく。 今度の核不使用に関する国連の共同声明参加をめぐる日本外交の迷走ほど卑劣で低次元のものはない。 卑劣という意味はそれが日本国民と世界を欺くものであるからだ。 低次元という意味は、安全保障政策という重要な基本政策を、修文交渉という言葉遊びでごまかそうとした姑息さだ。 こんどの外務省のごまかしをもっともよく教えてくれているのがきょう10月23日の朝日新聞の調査報道である。 それによるとなぜ外務省が方向転換したかの理由が良くわかる。 それはひとえに国内世論、とくに広島、長崎の批判の声に政治が耐えられなかったからだ。 広島、長崎の平和式典を訪れた安倍首相は強い非難を受けた。 広島が選挙区の岸田外相は苦しい立場に置かれた。 政治家は敏感だ。これでは持たないと思った。 だから「次回の声明には賛同できるように努力しろ」という指示が下された。 ところが核の傘に守られるという日本の安保政策を変えるという気は、安倍、岸田にも、もちろん外務官僚にもさらさらない。 だから共同声明の修文交渉にすべてが委ねられることになる。 しかもご丁寧に外務省から米国務省に事前に「日本の安保政策に変更はない」から安心してくださいと伝え、米側から「こういう内容なら問題ない」と認めてもらったうえで賛同した。 あれほどまでに反対していた共同声明のどの部分がどう変更されたから賛成に回ることができたのか。 ここが今度の政策転換のキモであるにもかかわらず、その朝日でさえも、そこのところが何も書かれていない。 提案国ニュージーランドのデル・ヒギー軍縮大使は「私たちにとって要であった『いかなる状況においても』を残すことができた。満足している」と朝日に語っている。 同時にまたヒギー大使は、協議の内容の詳細の説明を避けた上で、「2、3のちょっとした文面調整」だったと述べている。 これを要するに日本はとっくの昔に賛成しようと思えば出来たのだ。 共同声明には法的拘束力はない。 それを言い訳にして賛成しておけばよかったのだ。 批判もされず、日本の評判を落とすこともなかった。 しかし対米従属に凝り固まった日本は反対し、そして批判され、日本の信用を落とした。 その失敗に懲りて、今度は賛成に回った。 共同声明の実態は何も変わらないのに、米国が了承してくれることがわかったからたから、あっさり賛成に転じた。 修文の再交渉などというのはほとんど意味のないことだ。 アリバイづくりだ。 真相はそれだけであるのに、あたかも日本があらゆる核不使用に賛成する大英断の政策転換をはかったかのように内外に印象を与える。 それは国民と世界をだますことだ。 そのツケは必ず倍になって返って来る。 このような外務省のごまかし外交の繰り返しが、今日の外交の行き詰まりにつながっているのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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