□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年10月15日第765号 ■ ============================================================= 対米従属に徹しきれない安倍首相の危うさ ============================================================= オバマ大統領のシリア攻撃宣言に対する安倍首相の反応は対米従属一辺倒ではないと私は書いた。 すなわち、当初こそアサド政権を批判して米国の武力行使に理解を示すような発言をした安倍首相であったが、途中から米国の武力行使は国連の決議が必要だとか、化学兵器廃棄提案を行なってアサド政権に助け舟を出したロシアのプーチン大統領を持ちあげたりしたからだ。 そう思っていたら、週刊現代10月5日号が「霞ヶ関24時」というコラムで次のような裏話を明かしていた。 すなわち、IOC総会出席のためサンクトペテルブルグで開かれていたG20をわずか一日で切り上げてアルゼンチンに向かった安倍首相は、その後G20が「化学兵器使用はシリア政府に責任がある」という内容を盛り込んだG-20の共同声明を見て驚いたという。 そして現地に残った杉山外務審議官が、「アサド政権が化学兵器を使ったと日本も認定したのか」と問われて「そうだ」と答え、米国側から証拠を示されて事を匂わせたことを知った安倍首相が、「誰が共同声明に賛成しろと言った?」と怒って、その後シリア問題の対応を官邸主導で取り仕切ることにしたというのだ。 週刊現代のその記事はさらに次のように書いていた。 すなわち、米国が軍事行動に踏み切った際の対応策を官邸に持ってきた斎木昭隆外務省事務次官が、それが米国の行動を無条件で支持するものだったので「これではダメだ」と突っぱねられる一幕があったと。 それ以来、私は外務省と官邸との関係を注視してきたが、安倍外交の対米従属振りの迷走がやたら目につく。 たとえば10月13日の日経新聞「風見鶏」の中に次のような記事があった。 10月3日に東京で行なわれた外務・防衛閣僚協議の共同声明づくりでは、日本側は中国の脅威を名指しで言及しようとしたのに対し米国側は中国への言及を嫌ったという。 それでも日本が言及にこだわった結果、結局 共同文書では中国の名前を入れるが尖閣諸島には触れず、日米共同記者会見で日米が中国にクギを刺す、という妥協案で折り合ったという。 しかも、そのシナリオに反してケリー国務長官がアドリブで「大きな問題で中国と協力できる関係をめざす」としゃべり始めて日本側を当惑させたというのだ。 そして発売中の月刊文芸春秋11月号にある「米国も警戒する『安倍のリベンジ』」という記事である。 赤坂太郎氏が書いている。 8月28日にブルネイで開かれた拡大国防相会議の際、小野寺防衛相はヘーゲル米国防長官と会談をしたが、その後の記者ブリーフで防衛省サイドは、「自衛隊による敵基地攻撃能力の保有について日米間で検討していくことが話し合われた」と語った。 これを知った米側が、敵基地攻撃能力についての具体的な言及は小野寺大臣から一切なかったのにそのような記者発表を行なった事を問題視し、防衛省に抗議したというのだ。 つまり米国は今でも日本の自衛隊が独自で軍事行動を行なうことを警戒し、自衛隊が敵基地攻撃能力をつけることを無条件に賛同してるわけではないのだ。 ただでさえ歴史認識で米国の国益を害すると思われている安倍首相が、対米従属にブレを見せていたずらに米国の不信を買っている。 それでいながらTPPや特定秘密保護法などでは米国の言いなりである。 どっちなんだ。 中途半端な対米従属ほど国民にとって危ういものはない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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