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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

時が経つにつれ誰もが気づくようになってきたシリア情勢の深刻さ
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2013年9月18日第695号 ■   =============================================================  時が経つにつれ誰もが気づくようになってきたシリア情勢の深刻さ  =============================================================  オバマ大統領がシリア攻撃を宣言した時、その衝撃のあまりの強さに誰もがそれを批判した。  反戦、平和主義者がオバマ大統領を批判するのはまだわかる。  何でも米国のすることは悪い、陰謀だとする反米主義者がプーチンを褒め称えてノーベル平和賞ものだと言って見たり、アサドを善人呼ばわりするのは自由だ。  しかしあの時、大手メディアもオバマの決断に批判的だった。  オバマの優柔不断を批判し、もはや米国一国主義は終ったという論調が多く見られた。  どうやら時が経つに連れてシリア情勢の深刻さに皆が気づき始めたようだ。  9月15日、ついに国連が報告書を出した。  どちらが化学兵器を使ったかは特定されていないが、サリンが使われたことを断定しているという。  日本はサリンの恐ろしさを身をもって体験した国だ。  世界が待ち焦がれていた大ニュースなのだがもはやメディアの関心はそこにはない。  化学兵器廃止合意が出来きて、米国の攻撃のおそれがなくなった今となってはもはや誰も関心を払わない。  反米主義者の中には、この国連報告書さえも米国の都合に迎合して作成されたもので、米国のシリア攻撃を再び勢いづかせるものだ、などと批判する向きもあるが決してそうではない。  むしろ逆だ。  報告書はとっくの昔に出来上がっていたが、出すタイミングを選んだのだ。  国連はソ連、中国の拒否権発動を知っているからシリアと特定しない、出来ないだけだ。  国際政治の現実に無能な国連の限界である。  実際のところ報道を注意してフォローしていれば分かるのだが、米、仏はもとより戦争に反対した英国も、ドイツも、そしてアラブ連盟も、シリア政府が化学兵器を使ったという判断していたがメディアは一段の小さな記事でやり過ごしていた。  そして、これも小さな記事であったが9月17日の読売新聞がモスクワ発、田村雄記者の配信記事として次のように報じていた。  すなわちロシアのラブロフ外相は16日、モスクワを訪問したエジプト暫定政府のファハミ外相と会談した。会談後の記者会見でラブロフ外相は暫定政府への支持を明確にし、軍事分野での協力拡大について話し合ったと。  周知の通り米国のエジプト暫定政権に対す立場はジレンマにある。  親米・親イスラエルにつなぎとめるために軍事援助をしてきたエジプトに民主革命が起きた。  その民主革命の結果エジプトが宗教的な反米政権になることをおそれエジプト軍を支援し続けた米国であったが、そのエジプト軍がクーデターを起こし、米国は明確な動きがとれない。  その弱みにつけ込んで中東における劣勢を挽回しようとするロシアである。  シリア情勢に対するロシアの対応とまったく同じだ。  その一方で中国といえば上海協力機構である。  すなわち中国、ロシアと中央アジア4カ国(カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン)による上海協力機構の首脳会談が9月13日にキルギスで開かれ、シリアの軍事介入に反対する共同声明を採択した。  中国はシリアへの影響を増すことでユーラシア大陸の西端に向けた道が開ける。  東はイラン、イラクとの良好な関係を考えれば陸続きで中国本土にたどり着く。  イランは上海協力機構の準加盟国である。  要するにシリア情勢の背景にあるのは、平和の希求ではなく、中東で影響力を失いつつある米国に対するロシア・中国の巻き返しである。  軍事大国による覇権争いの裏で、アサドの悪が放置され、シリア国民が見殺しにされているという事である。  それに対して国連は何も出来ないということである。  国連がなすべき世界の警察の役割を誰ができるのか。  米国の世界支配が弱まることは平和主義者や反米主義者にとっては好ましいかもしれないが、ロシアや中国が世界の平和や安定に貢献する保証はどこにもない。  この深刻さをやっと大手メディアが書き始めた。  しかしどこにもその解決策を書く記事は見当たらない。  シリア情勢の真の深刻さがここにある(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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