□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年9月15日第688号 ■ ============================================================= 化学兵器廃棄合意の先にあるもの ============================================================= シリアの化学兵器廃棄についてケリー・ラブロフ合意が成立したという。 これで米国のシリア攻撃はとりあえず回避された。 この合意がどのように不透明なものであるにせよ、外交交渉によって武力行使が回避されたことの意義は、いくら強調しても強調し過ぎる事はない。 その上で私はこの合意の先にある見通しについて、二つの事を指摘したい。 一つはシリアが合意どおり化学兵器の全面廃棄に応じるかどうかである。 私は生き残りを優先するアサドは素直に応じるかもしれないと思っている。 しかし、もしアサドが巧みに化学兵器廃棄の約束を誤魔化そうとしても、それを許す口実がアサドにはあるのだ。 それはイスラエルが化学兵器禁止条約に未加入であり、核兵器と並んで化学兵器を保有している疑惑が強いからだ。 きょう9月15日の毎日新聞の「質問 なるほどり」が教えてくれている。 そもそもシリアが化学兵器を保有するのはイスラエルの核の脅威に対する対抗手段からである、と。 開発や生産が容易な一方、一度に大量の人を殺す威力がある化学兵器が「貧者の核兵器」と呼ばれるゆえんである。 アサドはイスラエルの核兵器や化学兵器を黙認する米国のダブルスタンダードをつくことができるのである。 化学兵器の使用を武力行決定の判断理由としたオバマ大統領の戦略ミスである。 もう一つは、たとえシリアが化学兵器を全廃しても、アサド政権が続くかぎりシリアの内戦は終らないということだ。 それどころかアサドの退陣を求める反体制派は、ますます形勢が不利になり、自爆テロに走るだろう。それに対するアサド政権の抑圧はますます苛烈になり、内戦はゲリラ化するだろう。 アサド政権が存続する限り弾圧は終らず、アサド政権の弾圧が強くなればなるほど自爆テロによる抵抗が強くなる。 すなればシリアがパレスチナのようになる。 そしてパレスチナ和平を国際政治は実現できないままである。 国際世論はパレスチナ人の犠牲を救う事は出来ないままである。 シリア情勢は米ロ合意にも関わらず深刻であり続けることになる(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新しいコメントを追加