□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年9月11日第678号 ■ ============================================================= 化学兵器の国際管理化が実現しただけではシリア問題は解決しない ============================================================== 米国のシリア攻撃はひとまず遠のいたようだ。 化学兵器を国際管理下に置くというロシアの提案をシリアが受け入れる姿勢を示し、オバマ大統領を含めすべての国がこれを歓迎したからだ。 米国のシリア攻撃が避けられることはいいことだ。 化学兵器の保有を認めなかったシリアがそれを認め、国際管理の下に置くことに素直に従うのなら、それは一歩前進だ。 しかし、それを歓迎するあまり、もしこのままアサド政権が手つかずで存続するようなら問題は何も変わらないことになる。 反体制側の絶望的な抵抗は自爆テロ化し、アサドの弾圧はますます苛酷なものになるだろう。 私はオバマ大統領が軍事介入を宣言した直後の9月1日のメルマガ第653号「アサドに振り回される世界と平和を守れない国連の機能不全」で書いた。 軍事介入の決め手を化学兵器の使用としたオバマは大きな間違いをおかしたと。 なぜか。 化学兵器をどちらが使ったかについて皆が納得する証拠は誰も提示できないからだ。 誰が言ったか知らないが、「戦争で真っ先に犠牲になるのは『真実』である」 つまり戦争はそれに勝つことが最優先される。 戦争に勝つためにはあらゆる事が行なわれる。 どのようなウソもつき続ける事が重要なのだ。 そしてそのために情報操作の応酬である。 そんな膠着状況の中のロシアの提案だ。 米国のシリア攻撃に反対する声が高まる中でのロシアの提案だ。 私がアサドなら勿体をつけて最後はそれに応じる。 そうすることによって極悪人が英雄に変わる効果を狙う。 誰もが戦争はしたくない。見たくない。 戦争回避のために先に譲歩を見せた、となると拍手喝采だ。 オバマは、自国の国民に軍隊を向けるような政府は認められないと言うべきだったのだ。 シリアの国民の犠牲をこれ以上放置できないと言うべきだったのだ。 アサドが国民を軍事力、警察力で弾圧してきた事は誰も否定できない。 中国もロシアも自らの過去を恥じて、アサドを弁護する事は出来ない。 なによりもシリア国民の犠牲を放置して心の痛まない者はいない。 いまやシリアはすっかり国際政治の駆け引きの場になってしまった。 そこにあるのは、それぞれの国がみずからの生き残りや利権のために、あるいは面子や指導力の維持の為に、ウソと詭弁と強硬姿勢を繰り返し、駆け引きする姿だ。 どうすれば国際社会は戦争(内戦)を防げるか。 戦争犯罪人を公正に裁くことができるのか。 この最も重要で困難なテーマについて言及する者は一人もいない。 私はシリア情勢は混迷のまま、まだまだ続いていくと思っている。 そしてそれが世界を悩まし続けることになると思う。 それはあたかもパレスチナ問題を国際社会が解決できないのと同じだ。 平和の神が人類に突きつけた究極の試練である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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